外壁塗装の業者の選び方|公的な記録で裏を取る4つの手順

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「外壁塗装 業者 選び方」で出てくる記事は、だいたい同じことを書いています。経営基盤がしっかりしている、実績が豊富、自社施工、アフターフォローが充実。どれも間違ってはいません。

ただ、これらは外から検証できません。「実績豊富」は業者の自己申告ですし、ホームページの施工事例も、口コミサイトの星の数も、出どころを確かめる手段がありません。結局のところ「感じのいい営業担当だったから」で決めてしまう人が多いのは、検証できる材料がないからです。

この記事では、第三者の記録として残っているものだけに絞って、業者の見極め方をまとめます。すべて無料で、誰でも、その場で調べられます。

目次

結論:主観の条件は後回しにして、記録に残っているものから確認する

  • 建設業許可の有無・業種・許可番号
    どこで調べるか:建設業者・宅建業者等企業情報検索システム
    運営:国土交通省
    費用:無料
  • リフォーム瑕疵保険を使えるか/保険証券の発行数
    どこで調べるか:リフォームかし保険 登録事業者検索
    運営:住宅瑕疵担保責任保険協会
    費用:無料
  • 国の登録制度に入った団体の会員か
    どこで調べるか:住宅リフォーム事業者団体登録制度の登録団体一覧
    運営:国土交通省の制度
    費用:無料
  • 職人の技能の裏付け
    どこで調べるか:塗装技能士(国家資格)の有無を業者に確認
    運営:技能検定制度
    費用:無料

順に見ていきます。特に2つ目は、この記事でいちばん実用的な部分です。

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絞る前に、まず候補が要ります。集めた業者を①〜④で確認してください。

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① 建設業許可 ― ただし「持っていない=悪徳」ではない

最初に誤解を解いておきます。外壁塗装では、建設業許可はそもそも不要なケースがほとんどです。

建設業法では、請負代金が一定額未満の「軽微な建設工事」は、許可を受けなくても請け負えると定められています。国土交通省が示している基準は次のとおりです。

  • 建築一式工事以外(塗装工事はこちら)
    許可が不要になる範囲:1件の請負代金が500万円未満
  • 建築一式工事
    許可が不要になる範囲:1件の請負代金が1,500万円未満、または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事

金額には消費税および地方消費税が含まれます。30坪の外壁塗装は総額60万〜140万円程度ですから、500万円にはまず届きません。つまり許可を持っていない業者でも、法律上まったく問題なく工事ができます。

では何のために確認するのか。許可があるという事実が、一定の要件を満たし続けている証拠になるからです。建設業許可を取るには、経営業務の管理責任者、専任技術者、財産的基礎といった要件を満たす必要があり、5年ごとの更新もあります。「許可がある=それらをクリアして更新してきた会社」と読めます。

逆に「許可がない=怪しい」と決めつけないでください。地域の小さな塗装店には、許可を取る必要がないまま何十年も仕事をしてきたところがたくさんあります。あくまで加点材料であって、減点材料ではありません。

調べ方

国土交通省が運営する「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で、会社名から検索できます。

  • サイト:建設業者・宅建業者等企業情報検索システム(国土交通省)
  • 掲載されているのは、許可行政庁が登録した情報です
  • 取ったばかりの許可は、まだ載っていないことがあります。国土交通省は「新規許可取得や許可内容の変更は、概ね1ヶ月程度で検索システムに掲載されます」としています。検索して出てこなくても、それだけで許可が無いとは判断できません
  • 許可があった場合は、業種が「塗装工事業」かどうかまで見てください。別業種の許可しか持っていないこともあります

許可業者なら、内訳入りの見積書を法律を根拠に請求できる(2025年12月から)

2025年(令和7年)12月12日、改正建設業法が完全施行され、建設工事の見積書に記載すべき事項が明記されました。

建設業者は、工事の種別ごとに次の内容を記載した見積書を作成するよう努めなければならない、とされています(建設業法第20条、建設業法施行規則第17条の12)。

  • 材料費
  • 労務費
  • 適正な施工の確保に不可欠な経費(法定福利費、安全衛生経費、建設業退職金共済制度の掛金)
  • その他、施工に必要な経費の内訳
  • 工程ごとの作業および準備に必要な日数

そして注文者から請求があったときは、請負契約が成立するまでにこの見積書を交付しなければならないとされています。作成は努力義務ですが、施主が請求すれば交付は義務に変わる、という作りです。

ただし、条文の主語は「建設業者」です。建設業法上の「建設業者」は許可を受けて建設業を営む者を指すため、許可を持たない業者には直接には及びません。

つまり建設業許可の有無は、単なる肩書きの問題ではありません。内訳入りの見積書を、法律を根拠に請求できるかどうかという実利に直結します。許可を確認する意味は、ここにあります。

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② リフォーム瑕疵保険の登録事業者かどうか【最重要】

4つのうち、実際にいちばん役に立つのがこれです。

リフォーム瑕疵(かし)保険は、工事に欠陥が見つかったときの補修費用をカバーする保険です。ポイントは仕組みのほうにあります。

なぜ登録事業者かどうかが効くのか

  • 保険を申し込むのは事業者です。消費者が直接申し込むことはできません。つまり、事業者が登録していなければ、この保険は選択肢にすら入りません。
  • 所定回数の現場検査があり、そのすべてに適合する必要があります。保険を使う工事には、第三者の検査が入るということです。
  • 事業者が倒産しても、消費者から保険法人に直接保険金を請求できます。「工事のあとに会社が消えた」という最悪のケースに対する備えになります。

特に3つ目は、設立間もない業者や訪問販売の業者を検討している場合に決定的です。

保険証券の発行数が公開されている

検索サイトでは、都道府県・市区町村・事業者名・契約している保険法人で絞り込めます。そして保険加入実績(保険証券の発行数)が掲載されています。

ここが重要です。「実績豊富です」という自己申告ではなく、第三者が数えた件数が見られます。登録だけして一度も使っていない業者と、毎年何件も使っている業者が、同じ画面で区別できます。

注意点

リフォーム工事での保険加入は義務ではありません。登録事業者だからといって、自動的に保険が付くわけではありません。保険を付けたい場合は、見積もりの段階でその旨を伝える必要があります。

また、保険料を払うのは加入する事業者ですが、その費用を最終的に誰が負担するかは当事者間で決めることとされています。見積もりに保険料が上乗せされる場合もあるので、金額と一緒に確認してください。

保険の対象になるのは、請負契約に基づいて施工されたリフォーム工事の実施部分に起因する瑕疵です。工事と関係のない既存部分の不具合まで見てもらえるわけではありません。

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条件で絞ると候補はかなり減ります。地域で該当する会社をまとめて出してもらうと早いです。

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③ 住宅リフォーム事業者団体登録制度の、登録団体に入っているか

国土交通省が、一定の取り組みを行うリフォーム事業者団体を登録・公表している制度です。制度の目的は、住宅リフォーム事業の健全な発達と、消費者が安心してリフォームを行えるようにすることとされています。

登録された団体には、次のような取り組みが求められます。

  • 構成員の情報を開示し、教育研修を行って人材育成に努めること
  • 相談窓口を設けて、構成員が行ったリフォームに関する消費者からの相談に対応すること
  • 契約時に必要な書面を交付し、一定額以上の工事では瑕疵保険に加入すること
  • これらの取組状況を国に報告し、国が確認すること

消費者側から見た意味は、2つ目がほぼすべてです。業者と直接やり合う前に、間に入ってくれる窓口があるということです。登録団体の会員である業者は、団体のロゴマークを掲示していることがあります。

登録団体の一覧は、一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会のサイトから確認できます。各団体のホームページに進むと、会員事業者の情報を見ることができます。

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④ 塗装技能士 ― 会社ではなく「現場に来る人」の資格

塗装技能士は技能検定制度にもとづく国家資格です。国(厚生労働省)が定めた実施計画に基づいて都道府県が実施し、試験問題の作成は中央職業能力開発協会が、受検申請の受付などは各都道府県職業能力開発協会が行っています。等級は1級・2級・3級に分かれます。

  • 1級
    受検に必要な実務経験:7年以上
  • 2級
    受検に必要な実務経験:2年以上
  • 3級
    受検に必要な実務経験:要件が緩和されており、6か月に満たなくても受検できる場合がある

職業訓練歴や学歴によって必要年数は変わります。また作業区分が木工塗装・建築塗装・金属塗装・噴霧塗装・鋼橋塗装に分かれているので、住宅の外壁なら「建築塗装作業」が該当します。

ここで一つ、実務上の注意があります。これは会社の資格ではなく、職人個人の資格です。ホームページに「1級塗装技能士在籍」と書いてあっても、自分の家の現場にその人が来るとは限りません。

聞くべきなのは「資格者はいますか」ではなく、「今回の工事に入るのは誰で、その方は資格を持っていますか」です。下請けに出す場合は誰が施工するのかも、あわせて確認してください。

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記録で絞れない部分は、やり取りで見る

ここまでの4つは、業者に会う前に片付けられます。そのうえで、残った候補は実際のやり取りで判断します。見るのは態度ではなく、仕事の進め方です。

  • 現地調査にどれだけ時間をかけたか。屋根に上ったか、外壁を手で触って確認したか、写真を撮ったか。外から眺めただけで金額を出す業者は、面積も傷み具合も測っていません。
  • 見積書に数量と単価が入っているか。「一式」だけの見積書は、何をどれだけやるのかが決まっていません。
  • 金額が相場から外れていないか。高すぎるのはもちろん、安すぎる場合も、塗り回数やシーリングの工法が削られている可能性があります。
  • 契約を急かさないか。「今日中なら」「足場が近くにあるうちに」は、比較させないための言い方です。

2つ目と3つ目は、別記事で具体的な手順にしています。見積書の読み方は7項目のチェックに、金額の妥当性は「延べ床面積から塗装面積を概算して検算する」方法にまとめました。

一括見積もりサイトはどう使えばいいか

正直に書きます。一括見積もりサイトや業者紹介サイトは、掲載料や成約時の手数料を事業者から受け取ることで運営されています。ですから、そこに並ぶ「おすすめ業者」の順番が、そのまま品質の順番だとは限りません。

ただし複数社の候補を短時間で集める道具としては効率的です。自分で1社ずつ探して連絡するのは、それなりに手間がかかります。

使うなら順番を間違えないでください。一括見積もりで候補を集める、集まった業者をこの記事の①〜④に通して絞る、残った2〜3社で条件を揃えて見積もりを比べる。サイトが並べた順位で決めるのではなく、自分の基準で絞り直す工程を必ず挟むことです。

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集まった業者は、①〜④で必ず絞り直してください。順位は品質の順位ではありません。

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悪質業者の手口と、地域で「リスト」を探しても出てこない理由

「◯◯県の外壁塗装の悪質業者リスト」という探し方をする人が多いのですが、行政が社名入りのリストを公開しているわけではありません。公開されているのは、行政処分を受けた事業者の情報です。国土交通省のネガティブ情報等検索サイトや各都道府県の建設業課で、処分歴は調べられます。ただし処分に至るのはごく一部なので、これだけでは絞れません。

では、どうやって探せばいいのか。名簿から消去法で選べばよい、という話にはなりません。名簿ではなく手口のほうを覚えてください。地域に関係なく共通しています。

  • 「近くで工事をしていて、足場が余っている」:足場は現場ごとに組むもので、余ることはありません
  • 「今日契約すれば半額」:値引きの根拠が示せないなら、元の金額が根拠のない数字だということです
  • 「無料点検」と言って屋根に上がり、撮った写真で不安をあおる:他人の家の写真を見せられても確認のしようがありません。自分の家の写真か、その場で一緒に確認できるかを聞いてください
  • 「火災保険を使えば無料になる」と断言する:保険金が下りなければ違約金を請求された事例があります(火災保険の記事)
  • 見積書が「一式」だけで数量と単価が無い:比較できない見積書は、そもそも判断材料になりません

手口を知っていれば、地域のリストを探さなくてもその場で判断できます。断り方の手順は訪問販売の断り方にまとめています。

職人への心付けや差し入れは必要か

必要ありません。工事代金に人件費が含まれています。心付けを渡さなかったから手を抜かれる、ということもありません。

気持ちとして何かしたい場合は、夏場の飲み物程度で十分です。金銭を渡すと、会社によっては受け取れず断る決まりになっていて、かえって職人を困らせます。挨拶と、近隣への配慮のお礼を伝えるほうが喜ばれます。

まとめ

  • 「実績豊富」「地域密着」は検証できない。第三者の記録に残っているものから確認する
  • 建設業許可は500万円未満の工事では不要。あれば加点、なくても減点にはしない
  • リフォーム瑕疵保険の登録事業者かどうかが最も実用的。現場検査が入り、倒産時も消費者から直接請求できる
  • 保険の検索サイトでは保険証券の発行数が見られる。自己申告ではない実績が分かる
  • 国の登録制度に入った団体の会員なら、間に入ってくれる相談窓口がある
  • 塗装技能士は会社ではなく個人の資格。自分の現場に誰が来るかまで聞く
  • 一括見積もりは候補を集める道具。並び順で決めず、自分の基準で絞り直す

業者選びで失敗する人の多くは、判断材料がないまま、その場の印象で決めています。先に検証できる材料を並べてしまえば、印象で決める余地がそれだけ減ります。

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