ジョリパットの外壁|何年もつ・汚れにくさ・費用の見方と、塗り替えの注意点

ジョリパットの外壁が何年もつかと汚れにくさ

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ジョリパットの外壁を塗り替えようとすると、「専用の塗料が必要」「普通の塗料では剥がれる」といった説明に行き当たります。どこまでが本当なのか、メーカーであるアイカ工業の資料で確認しました。

この記事では、よく聞かれる順に答えます。何年くらい持つのか、汚れにくいのか、費用はどこを見ればいいのか、欠点は何か、スタッコや珪藻土とどう違うのか。そのうえで、アイカ工業の資料にある「施工前に現場でやるべきこと」を紹介します。ここが業者選びで一番効きます。

目次

結論|改修専用の塗材があり、密着性は「現場で試験して確かめる」ものとされている

  • アイカ工業の改修用塗材はジョリパットフレッシュ(JQ-800/JQ-810/JQ-820)。既存の意匠を残したまま色を替える工法
  • 工程は旧塗膜 → セーフシーラー JS-800 → ジョリパットフレッシュ2回塗り
  • JS-800の資料には「下地の状況によって密着性が異なる場合があります。上記の結果は目安とし、現場において簡易試験により密着性を評価してください」と書かれている
  • つまり「ジョリパットだから大丈夫」と机上で決まるものではない。見積もりの前に、業者が下地の密着性を見たかどうかを確認する
  • 「ジョリパットだから何年」という年数はない。標準品(JQ-800)と高耐候品(JQ-820)で前提が違う。年数より状態で判断する
  • 汚れにくさはメーカーの試験データがある。ジョリパットワイドのΔE約0.8に対し、吹付けタイル(アクリル)は約2.7
  • 費用の㎡単価と所要量は、信頼できる公開データを見つけられなかった(後述)

以下、根拠になった資料を順に示します。

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ジョリパットとは|アイカ工業の塗り壁材

ジョリパットはアイカ工業株式会社の塗り壁材(仕上塗材)です。下地に材料を塗り付け、ローラーやコテ、吹き付けで模様を付けて仕上げます。サイディングのように工場で作られた板を貼るのではなく、現場で仕上げるため、職人の手の動きがそのまま外観になります。

この記事で扱うのは外装用のジョリパットです。内装用の製品もあるため、自宅の外壁がどの製品なのかは、新築時の仕様書や施工会社への確認が確実です。

なお、同社のカタログには「ジョリパットフレッシュストーン」(チラシ番号D417)という石目調の新しい塗材も載っています。ラインナップは更新されるため、最新の製品構成はメーカーか施工会社に確認してください。

メーカー公式の改修用塗材|ジョリパットフレッシュ JQ-800/810/820

アイカ工業の外装リニューアル資料(2019年3月発行、資料番号 D261A)には、改修用として次の3つが載っています。

  • JQ-800
    位置づけ:スタンダード
    資料に書かれている特徴:「既存の意匠をそのままに、色を塗り替える」リーズナブルな改修工法。色替え・機能性向上
    色数:127
  • JQ-810
    位置づけ:遮熱タイプ
    資料に書かれている特徴:「外気の熱を遮断して、室内の温度上昇を抑え」る
    色数:126
  • JQ-820
    位置づけ:高耐候タイプ
    資料に書かれている特徴:「紫外線による塗膜の劣化を抑え」、改修後の美観を長持ちさせる
    色数:141

工程は3段階

  1. 旧塗膜(既存のジョリパットなど)の状態を確認する
  2. セーフシーラー JS-800を塗る(一液水系浸透型カチオンシーラー)
  3. ジョリパットフレッシュを2回塗る

ここで押さえておきたいのは、「下塗りに何を使うか」が製品名で決まっていることです。見積書に「シーラー 一式」としか書かれていなければ、何を使うのか質問する余地があります。

既存下地として資料に挙がっているもの

JS-800の技術資料(資料番号 11.04.2M.AD)では、密着性の対象としてジョリパットシリーズ各種、アクリルEm系塗料、アクリルシリコーン系塗料などが表で示され、試験は乾燥時間・低温安定性・低温造膜性・上塗り適合性・耐水性・耐アルカリ性の6項目すべて「合格」とされています。

一番大事な一文|「現場において簡易試験により密着性を評価してください」

同じ資料の注意書きに、次の一文があります。

下地の状況によって密着性が異なる場合があります。上記の結果は目安とし、現場において簡易試験により密着性を評価してください。

メーカー自身が「表の結果は目安。現場で確かめてほしい」と書いています。これは読者にとって、そのまま使える判断材料です。

築年数が経った外壁は、紫外線や雨で表面が弱くなっていたり、前回の塗り替えで何が塗られているか分からなかったりします。同じ「ジョリパットの家」でも、密着するかどうかは現場ごとに違うということです。

ですから、業者に聞くべきことは「ジョリパットは塗り替えできますか」ではありません。「うちの壁で、付着の確認はしてもらえますか」です。この質問に具体的に答えられるかどうかで、経験のある会社かどうかがかなり分かります。

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ジョリパットの外壁は何年くらい持ちますか

一番多く聞かれる質問です。先に答えを書くと、「ジョリパットだから何年」という決まった年数はありません。アイカ工業が年数を公表している資料も確認できませんでした。

ただし、判断材料になる事実が2つあります。

1つは、メーカーが高耐候タイプを別品番で用意していることです。改修用のジョリパットフレッシュには、標準のJQ-800とは別に「紫外線による塗膜の劣化を抑え」るJQ-820(高耐候タイプ)があります。裏を返せば、標準品と高耐候品では持ちが違う前提だということです。年数は「ジョリパットかどうか」ではなく「どの品番を使うか」で変わります。

もう1つは、汚れにくさの試験データが公表されていることです(次章)。美観がいつまで保てるかは、汚れの付き方に大きく左右されます。

実務的には、年数を数えるより状態を見るほうが確実です。次のどれかが出てきたら検討の時期です。

  • 手で触ると白い粉が付く(チョーキング)
  • ひび割れが増えている、幅が広がっている
  • 塗膜の浮き・はがれがある
  • 雨だれの汚れが洗っても落ちない
  • カビ・藻が north側などに広がっている

築10年前後で一度見てもらい、そこから状態で決めるのが現実的です。

汚れにくさ|メーカーの試験データ

「ジョリパットは汚れにくいのか」「汚れが目立たない色はあるか」もよく聞かれます。

アイカ工業は促進汚染試験(流下型曝露試験)の結果を公表しています。汚れによる色の変化をΔE(色差)で表したもので、資料番号から2017年12月ごろの発行とみられます。

材料ΔE(色差)
ジョリパットワイド-300JQ(アクリル)約0.8
吹付けタイル(アクリル)約2.7
単層弾性吹付けタイル(フッ素)グラフに記載(数値の読み取りは不可)
出典:アイカ工業「促進汚染試験方法:流下型曝露試験」。ΔEは色の変化量で、小さいほど汚れが目立たない。

この試験の範囲では、ジョリパットは吹付けタイル(アクリル)より色の変化が小さいという結果です。ただし試験に使われたのはジョリパットワイド-300JQで、改修用のフレッシュシリーズとは別製品です。数値をそのまま自宅に当てはめることはできません。

色による違いのデータは見つけられませんでした。「グレーやベージュが汚れにくい」という説明は多くの施工店がしていますが、色ごとに実測した公開資料は確認できていません。

なお凹凸の大きいパターンほど汚れが残りやすいのは、構造上そうなります。パターンを選ぶときは、施工例の写真を数年経ったものも含めて見せてもらってください。

費用と数量|見積書のどこを見るか

「ジョリパットの単価表はありますか」「1缶で何平米塗れますか」という質問も多いのですが、この記事では㎡単価も所要量も書きません。アイカ工業の価格表と技術資料は、執筆当日に取得できなかったためです(詳しくは後述)。推測で数字を置くことはしません。

そのうえで、家の塗り替えを検討している方にとって、缶あたりの塗坪数はあまり意味がありません。材料は業者が手配するもので、施主が確認すべきなのは見積書の「数量」だからです。

見るべきはここです。

  • 塗装面積(㎡)が書かれているか。延床面積ではなく、実際に塗る壁の面積
  • 下塗り・上塗りの数量が別々に書かれているか(フレッシュは2回塗り)
  • 下地補修の数量(ひび割れの長さmや箇所数)。「一式」なら内訳を聞く
  • 足場の㎡数
  • 2社の見積もりで塗装面積が大きく違わないか。違うなら、どちらかの測り方がおかしい

金額の目安そのものは外壁塗装の費用相場|30坪の目安と、見積もりを検算する手順にまとめています。ジョリパットは意匠を残す施工の手間が乗るため、一般的な塗装より高くなる傾向がありますが、どれだけ高くなるかを示した公開データは確認できていません。見積もりを2社以上取って、差がどこから出ているかを比べてください。

ジョリパットの欠点

メリットばかり書くと判断できないので、弱点も挙げます。

  • ひび割れが出ることがある。下地のモルタルが動くと表面に出ます。製品によってひび割れ対策の機能があるとされていますが、下地の状態次第です
  • 凹凸に汚れが残りやすい。平らな外壁より不利です。試験データ上は他の仕上げより有利でも、パターン次第で変わります
  • 塗り替えの手間が大きい。既存の模様を残すか、変えるかで工法が分かれます。厚く塗りすぎると凹凸が埋まります
  • 施工できる業者が限られる。塗り壁の経験がない会社だと、一般的な塗料を吹いて終わりになることがあります
  • 強い水圧で洗うと表面を傷める。洗浄の加減に経験が要ります

この5つを業者にそのままぶつけて、どう対処するか説明してもらうのが一番早い見分け方です。

ジョリパット・スタッコ・珪藻土・モルタルの違い

似たものが多くて混乱しやすいので、整理します。

  • ジョリパット
    何なのか:アイカ工業の塗り壁材の商品名
    見分け方:パターンの種類が非常に多い。ゆず肌、コテ波、岩肌調など
  • リシン
    何なのか:モルタル外壁の仕上げの通称(JISでは外装薄塗材E)
    見分け方:細かい砂粒のザラザラ。凹凸は小さい
  • スタッコ
    何なのか:同じく仕上げの通称(外装厚塗材E)
    見分け方:厚くぼってりした凹凸
  • 吹付けタイル
    何なのか:同じく通称(複層塗材Eなど)
    見分け方:丸い粒が連なった模様
  • 珪藻土
    何なのか:珪藻の殻を原料にした材料名。主に内装
    見分け方:マットで調湿性がうたわれる
  • モルタル
    何なのか:セメント+砂の下地。仕上げではない
    見分け方:上のどれかで仕上げられている

つまりジョリパットは「商品名」、リシンやスタッコは「仕上げ方の通称」で、並べて比べるものが違います。自宅がどれか分からないときは、リシン吹き付けとはの見分け方も参考にしてください。

どういう材質か/STOとの違い

ジョリパットはアイカ工業の塗り壁材で、アクリル系の仕上塗材です。塗料のように薄い膜を張るのではなく、厚みを持たせて模様(パターン)を付ける材質になっています。

よく比較されるSTO(エスト)はドイツのメーカーの外装材で、別の会社の別製品です。名前が似た用途で並ぶことがありますが、品番も仕様書も別系統なので、見積書に書かれた製品名と品番で判断してください。混同したまま「同じようなもの」として見積もりを比べると、下地処理の工程が食い違います。

仕上げ厚・使用料(所要量)・施工順序

仕上げ厚と1㎡あたりの使用料(所要量)は、パターンと品番ごとにメーカーが決めています。同じジョリパットでも、模様が深いパターンほど材料を多く使います。

見積書に「平米単価」で書かれている場合も、その単価が前提にしている所要量が品番で決まっています。この記事を書くにあたって、アイカ工業の公式ページから品番別の標準所要量を取得しようとしましたが、取得できませんでした(リダイレクトが繰り返されるページとリンク切れ)。数字を推測で書くことはしません。見積書に品番が書かれているはずなので、その品番の標準所要量を施工店に出してもらってください。メーカーの技術資料に載っています。

「ジョリパットの上に塗れる塗料は何か」という質問もありますが、これは下のよくある質問で扱っています。施工順序そのものは、この記事の上のほうに書いた3段階(下地処理 → 下塗り → 仕上げ塗り)が基本です。改修の場合は、この前に既存下地の密着性を現場で確かめる工程が入ります。

色(カラー)はどう選ぶか

「人気カラーはどれか」という質問が多いのですが、販売実績を色別に公開した資料は確認できませんでした。ランキングを載せているページはありますが、出どころが示されていません。

現実的な選び方は次の2つです。

  • メーカーのカラーシミュレーションで全体像を見る。ただし画面の色は実物と違います
  • 実物のサンプルを、外の光の下で、できるだけ大きい面積で見る。小さな色見本は、壁一面になると明るく見えます

色の選び方そのものは、塗料全般で共通するので外壁塗装の色の記事にまとめています。

ブロック塀や門柱にも塗れるのか

塗れる場合がありますが、外壁と同じ判断では決められません。ジョリパットは下地との相性で決まる材料なので、ブロック塀のように下地の種類が違うところでは、そのまま外壁用の仕様を持ってこられないからです。

確認することは外壁と同じで、その下地に対して密着するかを現場で試すことです。塀は雨がかりも凍結の影響も外壁と条件が違うので、施工店に「この塀の下地で、どの品番を、どの工程で使うのか」を書面で出してもらってください。

この記事で確認できなかったこと

正直に書いておきます。

  • ジョリパット改修の㎡単価。更新日が新しく、数字の根拠がはっきりした公開資料を見つけられませんでした。ネット上には「100万円台」といった金額が多く出回っていますが、出典を確認できなかったため、この記事では金額を書きません
  • JQ-800/810/820の標準所要量(kg/㎡)と荷姿。参照できた資料に記載がありませんでした
  • 現在の製品ラインナップ。アイカ工業の製品ページ(ジョリパットのトップ、JQ-800の特長ページ、プレミアムリフレッシュシステム)は、執筆当日に3ページとも読み込みエラー(リダイレクトの繰り返し)で取得できませんでした。本記事の製品情報は2019年3月発行の資料と2011年4月の技術資料に基づくものです。最新の仕様はメーカーか施工会社に確認してください
  • 塗り替え周期の年数。アイカ工業が年数を示した資料は確認できませんでした
  • 色ごとの汚れやすさ。「グレーやベージュが汚れにくい」という説明は多いものの、色別に実測した公開資料は見つけられませんでした
  • ジョリパットの価格表と所要量。アイカ工業の価格表PDFは404、製品ページはリダイレクトの繰り返しで、当日取得できませんでした

金額の目安が必要な場合は、一般的な外壁塗装の相場と、塗り壁ならではの上乗せ分を分けて考えるのが現実的です。下の記事で相場の見方をまとめています。

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見積書で確認する5点

  • 下塗り材の製品名が書かれているか(「シーラー 一式」になっていないか)
  • 上塗り材の品番が書かれているか(JQ-800/810/820のどれか、あるいは他社品なのか)
  • 塗り回数が書かれているか(フレッシュは2回塗り)
  • 付着(密着性)の確認をするか、するならいつ・どうやるか
  • 既存の模様を残すのか、変えるのか。残す場合、厚みで凹凸が埋まらないようにどう施工するか

とくに4番目は、この記事で唯一お伝えしたいことです。メーカーが「現場で評価してください」と書いている工程が、見積書にも会話にも一度も出てこないなら、そこは聞いてください。

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よくある質問

Q. 普通のシリコン塗料で塗ってはいけませんか

「絶対にだめ」と断定できる資料は確認できませんでした。分かっているのは、メーカーが改修用の塗材と専用シーラーを品番付きで用意していることと、密着性は現場で確かめるものとされていることの2つです。業者が別の材料を提案するなら、なぜその材料なのか、付着はどう確認するのかを説明してもらってください。

Q. 既存の模様は残せますか

JQ-800は資料に「既存の意匠をそのままに、色を塗り替える」と書かれています。ただし塗り方や厚みによって凹凸の見え方は変わります。仕上がりのイメージは、施工例の写真で確認するのが確実です。

Q. 高圧洗浄はしてもらえますか

洗浄自体は一般的な工程ですが、塗り壁は表面に凹凸があり、弱くなった部分を強い水圧で傷めることがあります。水圧をどうするか、洗浄後にどれくらい乾燥させるかを聞いておくと安心です。

Q. 遮熱タイプ(JQ-810)にすれば涼しくなりますか

資料には「外気の熱を遮断して、室内の温度上昇を抑え」ると書かれています。ただし室温が何度下がるかという数値は、参照した資料には記載がありませんでした。効果の大きさを数字で示せる資料があるかどうか、業者に確認してください。

Q. 何年ごとに塗り替えますか

年数の目安を示した公式資料は確認できませんでした。年数で決めるより、色あせ、表面を触ったときの粉(チョーキング)、ひび割れ、浮きといった状態で判断するほうが確実です。

まとめ

  • ジョリパットの改修用塗材はジョリパットフレッシュ JQ-800/JQ-810/JQ-820(アイカ工業、2019年3月資料)
  • 工程は旧塗膜 → セーフシーラー JS-800 → フレッシュ2回塗り
  • JS-800の技術資料は「現場において簡易試験により密着性を評価してください」と明記している
  • 業者に聞くのは「塗り替えできますか」ではなく「うちの壁で付着の確認はしてもらえますか」
  • ㎡単価・所要量・現行ラインナップは確認できなかった。製品ページが当日取得できなかったため、最新情報はメーカーか施工会社へ
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