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「お宅の外壁はリシンですね」と業者に言われて、そもそもリシンが何なのか分からない。そういう方に向けた記事です。
リシンは商品名でも会社名でもありません。日本産業規格(JIS)で分類されている仕上塗材の、現場での通称です。この記事では、リシンとは何か、スタッコや吹付けタイルとどう違うのか、塗り替えの費用と耐用年数は何で決まるのかを順にまとめます。
結論|リシンはJISでいう「外装薄塗材E」の通称
- リシンはモルタル外壁の仕上げ方法の一つ。砂などの骨材を混ぜた材料を吹き付けて、細かいザラザラした表面に仕上げる
- JIS A 6909「建築用仕上塗材」の分類でいうと、樹脂リシン・アクリルリシン・陶石リシンは「外装薄塗材E」、弾性リシンは「可とう形外装薄塗材E」、シリカリシンは「外装薄塗材Si」にあたるとされる
- 公共工事では公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版の15章6節「仕上塗材仕上げ」で規定されている工種
- 見積書には通称ではなくJISの呼び名(または製品名)で書いてもらう。「リシン 一式」では何を使うか決まらない
- 弱点はひび割れと汚れ。塗り替えのときは下地の吸い込みが大きく、下塗りの回数と材料が仕上がりを左右する
- 費用は「リシンだから」では決まらない。ひび割れの量と下塗りの回数で動く
- 耐用年数も「リシンだから何年」ではない。塗り替え後は上に塗った塗料の性能で決まる
モルタル外壁の状態は、下地から見てもらわないと分かりません。複数社に見てもらうなら、一括で候補を出す方法があります。
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リシンとは|モルタル外壁の仕上げ材
リシンは、セメントや合成樹脂に砂・砕石などの骨材を混ぜた材料を、モルタルの外壁に吹き付けて仕上げたものです。表面が細かくザラついているのが特徴で、昭和後期から平成初期にかけて一般住宅で広く使われました。
サイディングのように工場で作った板を貼るのではなく、現場で下地のモルタルを塗り、その上に仕上げ材を吹き付けるという作り方です。外壁を手で触って、細かい砂粒のようなザラつきがあれば、リシンの可能性があります。
吹付けリシンと掻き落としリシン
リシンには2つの作り方があります。吹付けリシンはスプレーガンで吹き付けたままの仕上げ。掻き落としリシンは、吹き付けたあと硬化する前に表面を工具で掻き落とし、骨材の断面を出した仕上げです。掻き落としのほうが手間がかかり、質感も深くなります。
JISの呼び名で言うと何になるか
日本産業規格のJIS A 6909「建築用仕上塗材」(2021年11月22日改正)が、この種の材料を規定しています。規格の適用範囲は次のとおりです。
セメント,合成樹脂などの結合材,顔料,骨材などを主原料とし,主として建築物の内外壁又は天井を,吹付け,ローラー塗り,こて塗りなどによって立体的な造形性をもつ模様に仕上げる建築用仕上塗材について規定。
現場で使われる通称と、規格上の呼び名の対応は次のように整理されています。
| JISの呼び名 | 現場での通称 |
|---|---|
| 外装薄塗材E | 樹脂リシン、アクリルリシン、陶石リシン |
| 可とう形外装薄塗材E | 弾性リシン |
| 防水形外装薄塗材E | 単層弾性 |
| 外装薄塗材Si | シリカリシン |
| 外装厚塗材E | 樹脂スタッコ、アクリルスタッコ、弾性スタッコ |
| 複層塗材CE | セメント系吹付タイル |
| 複層塗材E | アクリルタイル |
| 防水形複層塗材E | 弾性タイル、複層弾性、弾性防水 |
つまり「リシン」「スタッコ」「吹付けタイル」は、どれもモルタル外壁の仕上げ方の通称で、規格上はきちんと別の名前が付いています。同じ「リシン」でも、弾性リシンは可とう形、シリカリシンは薄塗材Siと、別の区分です。
公共工事では、国土交通省の公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版(令和7年3月21日制定、令和7年5月12日最終改定)の15章6節に「仕上塗材仕上げ」という節があり、工種として規定されています。戸建ての工事にそのまま適用されるわけではありませんが、業界にこういう物差しがあることは知っておいて損がありません。
なぜ呼び名が大事なのか|見積書に書いてもらう
見積書に「外壁塗装 リシン 一式」と書かれていたとします。これでは、どの材料をどう使うのかが何も決まっていません。弾性なのか、そうでないのか。下塗りに何を使うのか。上塗りは何回か。
外壁の色を日塗工の色番号で指定するのと同じことです。呼び名か製品名で書いてもらえば、2社の見積もりを同じ条件で比べられます。
- 仕上塗材の種類(JISの呼び名、または製品名)
- 下塗材の製品名(「シーラー 一式」になっていないか)
- 塗り回数
- 塗装面積(㎡)と単価
- ひび割れ補修の方法と数量
リシン・スタッコ・吹付けタイルの違い
モルタル外壁の仕上げは、この3つが代表的です。材質の違いというより、材料の厚みと吹き方の違いだと考えると分かりやすくなります。
JISの呼び名は塗料規格データベース(2026年7月23日更新)の対応表による。質感の説明は上位解説ページに共通する記述をまとめたもの。
- リシン:見た目・手ざわり:細かい砂粒のザラザラ。凹凸は小さい/JISの呼び名:外装薄塗材E
- スタッコ:見た目・手ざわり:厚くぼってりした凹凸。重厚感がある/JISの呼び名:外装厚塗材E
- 吹付けタイル:見た目・手ざわり:丸い粒が連なった模様。ツヤがあることが多い/JISの呼び名:複層塗材E / 複層塗材CE など
見分けるときは凹凸の大きさを見てください。指でなぞって砂のようにザラつくならリシン、指が沈むほど凹凸が大きければスタッコ、ぽつぽつした丸い粒が並んでいれば吹付けタイルの可能性が高いです。なお「吹付けタイル」は「吹き付けタイル」と書かれることもありますが、同じものです。
リシンは3つの中で最も塗膜が薄い仕上げです。だからコストを抑えられる一方で、ひび割れが出やすく、汚れも残りやすくなります。
費用はどう決まるか
先にお断りしておくと、「リシンの塗り替えは1㎡あたり◯円」という数字は、この記事では出しません。ネット上に出回っている単価は、更新が数年前で止まっているページのものが多く、今の価格として使えるか確認できなかったためです。
代わりに、何で金額が動くのかを書きます。見積書を見るときはここを追ってください。
- 塗装面積(㎡)。ここが基準。延床面積ではなく、実際に塗る壁の面積
- 足場。建物の形と高さで決まる。リシンかどうかは関係しない
- 下地補修の量。リシンで金額が上振れる一番の要因。ひび割れが多いほど増える。「一式」ではなく、ひび割れの長さ(m)や箇所数で書いてもらう
- 塗料の使用量。表面に凹凸がある分、平らな壁より塗料を多く使う。下塗りの回数が1回か2回かで変わる
- 塗料のグレード。シリコンかフッ素か、弾性かどうか
つまりリシンだから高い・安いではなく、「ひび割れがどれだけあるか」と「下塗りを何回するか」で決まります。2社の見積もりを比べるときは、この2つが同じ条件になっているかを見てください。
金額の目安そのものは、外壁塗装の費用相場|30坪の目安と、見積もりを検算する手順と外壁塗装の足場代にまとめています。
耐用年数は「リシンだから何年」では決まらない
「リシンの耐用年数は8〜10年」という説明をよく見かけます。ただ、この数字の出どころをたどれる資料は確認できませんでした。
技術的に見ても、この言い方には無理があります。塗り替えたあとの外壁は、上に塗った塗料の性能で持ちが決まるからです。既存の仕上げがリシンであることは、塗り替え後の寿命をほとんど決めません。
塗料の耐用年数がどう決まっているのかは、外壁塗装の塗料の種類と選び方で、JISの試験方法まで含めて書いています。「期待耐用年数は保証年数ではない」という話です。
年数ではなく状態で判断してください。手で触って白い粉が付く(チョーキング)、ひび割れが増えている、雨だれの汚れが落ちない。この3つが出てきたら検討の時期です。
リシンの塗り替えに向く塗料
上位の解説ページが共通して挙げているのは弾性のある塗料です。ひび割れの再発を抑える狙いで、弾性リシン(JISでいう可とう形外装薄塗材E)と同じ考え方です。
ただし弾性塗料にも注意点があります。夏場に塗膜が膨れることがあると指摘されており、下地の乾き具合や工法によって向き不向きが分かれます。「弾性にしておけば安心」ではありません。
汚れが気になる場合は低汚染タイプという選択肢もあります。いずれにせよ製品名を見積書に書いてもらい、なぜその製品なのかを説明してもらうのが確実です。
リシンのメリット|薄くて安く、下地のあらが目立ちにくい
弱点の前に、リシンが長く使われてきた理由を先に書いておきます。上位の解説ページが共通して挙げているメリットは3つです。
- 材料が薄く、施工が早い。JISの分類でいう「外装薄塗材E」で、名前のとおり薄く仕上げる材料です。厚みのあるスタッコなどに比べて材料の使用量が少なく、工期も短く済みます
- 凹凸で下地のあらが目立ちにくい。表面が細かい砂粒状になるため、モルタル下地の細かな不陸や色ムラが見えにくくなります
- 通気性・透湿性がある。壁の中の湿気を逃がしやすい仕上げとされます
ただしこの3つは、塗料メーカーや公的機関の資料で横断的に確認できたのはJISの分類までで、「汚れが目立ちにくい」といった評価は解説ページの記述に基づきます。断定できるのは分類の話だけ、と思ってください。
リシンのデメリット(弱点)|ひび割れと汚れ
リシンは通気性・透湿性があり、費用も比較的抑えられる仕上げです。一方で、上位の解説ページが共通して挙げている弱点が2つあります。
1. ひび割れ(クラック)が入りやすい
塗膜が薄く硬いため、下地のモルタルが動くと表面にひびが出やすいとされます。ひび割れを放置すると、そこから雨水が入ります。塗り替えのときに、ひび割れをどう処理するかが一番大事な工程です。
2. 凹凸に汚れが溜まりやすい
表面がザラついている分、ほこりや雨だれが残りやすくなります。塗り替え前の高圧洗浄で凹凸の内部の汚れを落とす必要がありますが、水圧が強すぎると脆くなった表面を削ってしまうため、加減が要ります。
リシン外壁のメンテナンス|ふだん見るところと、塗り替えの合図
リシンは塗り替えまで何もしなくていい仕上げではありません。といっても、施主がやることは多くありません。
- 年に1回、壁を一周して見る。ひび割れが増えていないか、手で触って白い粉が付かないか(チョーキング)、北面に藻やカビが出ていないか、雨だれの筋が濃くなっていないか
- 汚れは弱い水圧で流す程度にとどめる。凹凸の内部の汚れは家庭用の水圧では落としきれません。強く当てると、傷んだ表面を削ってしまいます。本格的な高圧洗浄は塗り替え工事の工程の中で、加減しながら行うものです
- ひび割れを見つけたら幅を記録しておく。いつ見つけて、その後広がったかどうかが、塗り替えのときの下地補修の判断材料になります
塗り替えの周期は「リシンだから何年」では決まりません。理由は前の見出しに書いたとおりです。目安がまったくないと動けないという場合、国土交通省「長期修繕計画作成ガイドライン」(令和6年6月改定)は、マンションの外壁塗装(雨掛かり部分)の塗替えを12年としています。ただしこれは分譲マンションの修繕計画を立てるための数字で、戸建てのリシンにそのまま当てはめられるものではありません。
塗り替えのときに起きること
リシンの施工方法は、下地をならしてから下塗り(シーラー)を入れ、専用のガンで骨材を混ぜた材料を吹き付ける、という順です。吹き付けに使うガンの口径で粒の大きさが変わります。塗り替えのときは、既存のリシンの上に塗るか、いったん落としてから塗り直すかで工程も金額も変わります。
リシンの塗り替えで、平らな外壁と違う点が2つあります。
- 塗料の吸い込みが大きい。表面がざらついて凹凸がある分、平らな壁より塗料を多く使います。下塗りを1回で済ませると、吸い込まれて仕上がりがムラになることがあります
- 弾性のある塗料がすすめられることがある。ひび割れの再発を抑える狙いです。ただし弾性塗料には、夏場に膨れが出ることがあるなどの別の注意点もあります
どちらも「何をどれだけ塗るか」が見積書に書かれていれば確認できます。塗り回数と塗料の製品名を必ず聞いてください。
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古いリシンは石綿の事前調査の対象になることがある
外壁の仕上塗材には、過去に石綿(アスベスト)が含まれていた時期があります。工事の規模によっては、着工前の事前調査と報告が法律で義務づけられています。リシンは昭和後期から平成初期に広く使われた仕上げなので、築年数によっては関係します。
調査の対象になる工事の規模と、自分の家の仕上塗材を調べられるかどうかは、別の記事に詳しくまとめています。外壁塗装と石綿の事前調査をご覧ください。
アスベストが使われていた年代
環境省「特定建築材料以外の石綿含有建材(レベル3建材)除去等作業時の石綿飛散防止」は、「昭和40年頃~平成11年頃の仕上塗材には、石綿が添加されているものもある」としています。西暦でいうと1965年頃から1999年頃です。また厚生労働省のリーフレットは、石綿が平成18年(2006年)9月から輸入・製造・使用などを禁止されたこと、それ以前に着工した建築物は石綿が使用されている可能性が高いことを示しています。
つまり2006年9月より前に着工した家のリシンは、年代だけでは「入っている」とも「入っていない」とも決まりません。調べて初めて分かる、というのが出発点です。
アスベストのレベルと、リシンの位置づけ
「アスベストレベル」という言い方で探されているのは、この区分のことです。石綿を含む建材は、粉じんの出やすさで3つに分けられています。環境省「石綿含有成形板等や石綿含有仕上塗材の除去等作業におけるマニュアル活用の手引き」によると次のとおりです。
- レベル1:吹付け石綿、石綿含有吹付けロックウールなど。発じん性は「著しく高い」
- レベル2:石綿保温材、けいそう土保温材、耐火被覆板など。発じん性は「高い」
- レベル3:スレートボード、ビニル床タイル、けい酸カルシウム板第1種などの成形板。発じん性は「比較的低い」
石綿含有仕上塗材は、この「比較的低い」側、レベル3と同列で扱われています(建築用仕上塗材・建築用下地調整塗材)。リシンは仕上塗材なので、ここに入ります。
ただし「レベル3だから何もしなくていい」ではありません。同じ手引きは、電動工具を使って除去する場合は湿潤化と隔離養生(負圧は不要)が必要で、しかも作業前に行うだけでなく除去作業中も続ける必要があるとしています。
アスベストが入っていた場合、どう撤去するのか
先に前提を1つ。塗り替えでは、既存の仕上塗材を全部剥がさないことのほうが多いです。剥がす必要があるかどうかは、下地の状態で決まります。剥がさずに上から塗るなら、除去の話にはなりません。
除去する場合に法令が求めていることは、次のとおりです。
- 電動工具で削るなら作業場の隔離。厚生労働省「改正石綿則のポイント」によると、ディスクグラインダー等を用いて石綿含有仕上げ塗材を除去する作業は、令和3年(2021年)4月から作業場を隔離する必要があります。石綿含有成形板の除去は、令和2年(2020年)10月から原則として切断・破砕等によらない方法で行う必要があります
- 工事の前に事前調査。すべての部材について、設計図書などの文書と目視の両方で調べます。令和5年10月からは、厚生労働大臣が定める者に行わせることが義務です。記録は3年間保存します
- 規模によっては届け出。令和4年4月1日から、建築物の解体は床面積80㎡以上、改修は請負金額100万円以上で、事前調査結果の報告が必要です
なお環境省「特定建築材料以外の石綿含有建材(レベル3建材)除去等作業時の石綿飛散防止」は、ローラー塗り等で施工された石綿含有仕上塗材の除去作業を大気汚染防止法の規制対象としていない、としています。リシンは吹付けで施工されることが多いため、この例外にそのまま当てはまるとは限りません。実際の扱いは、事前調査の結果と施工されている工法で決まります。
この記事で確認できなかったこと
- リシンの塗り替えの㎡単価。単価を載せているページは更新が数年前で止まっているものが多く、今の価格として使えるか確認できませんでした。金額は書かず、何で動くかだけを書いています
- 「リシンの耐用年数8〜10年」の出どころ。この数字は広く流通していますが、根拠をたどれる資料を確認できませんでした
- 公共建築工事標準仕様書の15章6節の本文。PDFが大きく、節の中身まで取得できませんでした。節が存在することと、仕様書の制定日・最終改定日のみ確認しています
- JIS A 6909の規格本文に「リシン」という語があるかどうか。規格本文は有償のため未確認です。本記事の通称との対応表は、塗料規格データベース(2026年7月23日更新)の記載に基づきます
- リシンのメリットとして挙げた内容の一次情報。公的機関や塗料メーカーの資料で確認できたのはJISの分類までで、「汚れが目立ちにくい」などの評価は解説ページの記述に基づきます
- 自分の家のリシンに石綿が入っているかどうか。年代の幅(昭和40年頃〜平成11年頃)は環境省の資料で確認できましたが、製品ごとの製造年はメーカーと製品名が分からないと特定できません。最終的には事前調査の分析結果でしか決まりません
「リシン 一式」としか書かれていない見積書が出てきたら、書き直してもらえるか聞いてみてください。複数社を並べると、記載の丁寧さの差がそのまま見えます。
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よくある質問
Q. 自分の家がリシンかどうか、どう見分けますか
外壁を手で触ってみてください。細かい砂粒のようなザラつきがあり、吹き付けたような均一な凹凸ならリシンの可能性があります。凹凸がもっと大きく、ぼってりしているならスタッコ、丸い模様が連なっているなら吹付けタイルであることが多いです。確実なのは新築時の仕様書を見ることです。
Q. リシンの上から普通の塗料を塗れますか
一般的には塗れるとされていますが、下地の状態次第です。表面が粉を吹いていたり、脆くなっていたりすると、そのまま塗っても密着しません。下地をどう処理するのかを説明してもらってください。
Q. リシンから別の外壁に変えられますか
サイディングを重ねる方法などがあります。ただし塗装とは費用の桁が変わるため、まず塗装の見積もりを取ってから比べるのが現実的です。
Q. 弾性リシンと普通のリシンは違うものですか
規格上の区分が違います。通常のリシンは「外装薄塗材E」、弾性リシンは「可とう形外装薄塗材E」とされます。業者に「弾性ですか」と聞いて、見積書に書いてもらってください。
Q. セメントリシンとアクリルリシンは違うものですか
A. どちらも通称で、結合材(骨材をくっつけている材料)の違いを指して使われます。セメントリシンはセメント系、アクリルリシンは合成樹脂(アクリル)系です。JISの薄付け仕上塗材は結合材ごとに記号が分かれていて、この記事で扱っている外装薄塗材Eは合成樹脂エマルション系にあたります。セメント系がJIS上どの記号になるかは、規格本文が有償のため確認できていません。見積書で違いを確かめたいときは、通称ではなく製品名と規格記号を書いてもらうのが確実です。
Q. 吹き付けに使うガンの口径は何ミリですか
A. 明治機械製作所のリシンガン仕様では、塗料ノズルの口径が4.0mm・5.5mm・6.5mm・7.5mm、空気ノズルが2.0mmで、初期装着は6.5mmとされています(MBA・LGAシリーズ)。骨材の大きさや仕上げの粗さに合わせて職人が使い分けるもので、施主が指定する場面はほとんどありません。見積書で見るなら、口径よりも「どの仕上げ材を、何回に分けて塗るか」のほうが仕上がりに効きます。
まとめ
- リシンはモルタル外壁の仕上げの通称。JIS A 6909では「外装薄塗材E」(弾性リシンは可とう形外装薄塗材E、シリカリシンは外装薄塗材Si)
- JIS A 6909「建築用仕上塗材」は2021年11月22日改正。公共工事は公共建築工事標準仕様書 令和7年版 15章6節「仕上塗材仕上げ」で規定
- 見積書には通称ではなく呼び名か製品名を書いてもらう。「リシン 一式」では比較できない
- 弱点はひび割れと汚れ。塗り替えではひび割れ処理・洗浄の水圧・下塗りの回数が効く
- 築年数によっては石綿の事前調査の対象になりうる
- ㎡単価と耐用年数は、根拠のたどれる資料を確認できなかったため書いていない
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