共有持分の売却|自分の持分だけなら同意は不要。相場が安い理由と税金の計算

共有持分は自分の分だけ同意なしで売却できる

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目次

結論|売れるのは自分の持分だけ。全体を売るなら全員が売主になる

「共有持分は売却できないのですか」が、この言葉でいちばん多く検索されている質問です。答えは、売却できます。ただし自分ひとりで売れるのは自分の持分だけで、不動産そのものを売るには共有者全員が売主になる必要があります。この2つを混ぜると話が合わなくなります。

  • 自分の持分だけなら、他の共有者の同意も承諾も法律上は要らない。連絡の義務もない
  • 不動産全体を売るなら、共有者全員の合意が必要。一人が反対すれば止まる
  • 持分だけの売却は、全体の価格に持分割合を掛けた金額より安くなる傾向がある。買主が単独でできることが少ないため
  • 売り方は3つ。他の共有者に売る/第三者(買取業者や投資家)に売る/全員で全体を売る。土地なら分筆という方法もある
  • どの方法でも、家の中の物を空ける作業と、その費用を誰が負担するかは先に決まる
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共有の家に残った物の片付け費用も、民法253条1項では持分に応じた負担になります。まず量を出して総額を確定させないと、誰がいくら出すかの話が始まりません。

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そもそも共有持分とは|共有名義になる5つのケース

共有持分とは、1つの不動産を複数人で所有しているときの、各自の持ち分の割合です。登記簿には「持分2分の1」のように記録されます。共有名義になるのは、だいたい次のケースです。

  • 相続。遺産分割をしないまま兄弟で引き継いだ。いちばん多い
  • 夫婦の共同購入。ペアローンや、頭金を出し合って持分を分けた
  • 離婚。共同購入した家の名義をそのままにして別れた
  • 贈与。親から持分の一部をもらった
  • 私道。分譲地の前面道路を近隣の住民で共有している

自分の持分だけなら同意は要らない|民法の条文はこう並んでいる

「同意は必要ですか」「勝手に売却することはできますか」という質問が上位に並びます。根拠から確かめます。先に言っておくと、民法には「共有持分は自由に売れる」と書いた条文はありません。禁止する規定がないことと、所有権の内容を定めた条文の組み合わせでそうなっています。

まず所有権そのものの規定です。

民法第206条(所有権の内容)

所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。

持分は所有権の一部です。だから「処分」、つまり売ることができます。一方で、他の共有者が関わる行為には制限がかかります。

民法第249条第1項(共有物の使用)

各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。

民法第251条第1項(共有物の変更)

各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができない。

使えるのは「持分に応じた使用」まで。建て替えのように物そのものを変えるには同意が要る。この立て方だと、自分の持分という権利を手放すだけの行為は、他人の持分に手を付けていないので同意の対象になりません。逆に不動産全体を売るのは自分の持分を超える処分なので、全員が売主として契約に入る必要があります。

無断で売ることが罪になるのか、という質問もあります。自分の持分を売る行為そのものは法律上の権利の行使で、罪にはなりません。ただし他の共有者に何も言わずに進めれば関係は悪くなります。法律上の義務と、実際に起きることは別に考えてください。

なお、この記事の条文は2026年10月4日にe-Gov法令API(デジタル庁)で取得した現行の民法から引用しています。

なぜ持分だけだと安くなるのか|買主が単独ではできないこと

「どのくらい安くなる」「相場はいくらですか」が需要の上位にあります。買取相場の公的な統計は確認できませんでした。買取業者が出している「市場価格の○○%」という数字は各社の自社基準なので、このページでは採用しません。代わりに、価格が下がる理由を条文で説明します。

買主が持分を手に入れても、できることは限られます。

  • 使用できるのは持分に応じた範囲まで(249条1項)。家に住んでいる共有者を追い出せるわけではない
  • 建て替えや大規模な変更には他の共有者の同意が必要(251条1項)
  • 単独で不動産の全部を売ることはできない。自分の持分を転売するしかない
  • 残っている出口は、他の共有者との交渉か、裁判による分割

民法第256条第1項(共有物の分割請求)

各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。

つまり買主は「いつでも分割を請求できる権利」と「それまで自由に使えない不動産」を同時に買うことになります。この不自由さの分だけ価格が下がります。だから買主は一般の個人ではなく、交渉と裁判を前提にできる専門の買取業者や投資家が中心になります。

自分の持分がいくらになるかを知る手順

金額の目安を出す順番は決まっています。

  • 先に不動産全体の価格を把握する。共有者に内緒で進めたい場合でも、同じ地域の成約事例や公的な価格指標から当たりは付けられる
  • その全体額に自分の持分割合を掛ける。これが「本来の取り分」の基準値になる
  • 買取業者の提示額を、その基準値と並べる。何割引かれているのかが初めて見える

全体の価格を知らずに提示額だけを見ると、高いのか安いのか判断できません。先に基準値を作ってから業者に当たってください。

売り方は3つ|他の共有者に売る・買取業者に売る・全員で全体を売る

「売却する流れは」「どうすればいいですか」「どうしたらいいですか」という質問への答えです。まず方法を選びます。

→ 横スクロールで3つの売り方を比較できます

他の共有者に売る第三者(買取業者)に売る全員で全体を売る
他の共有者の同意相手の合意が必要不要全員必要
手取りの目安交渉次第下がりやすいいちばん大きい
かかる時間交渉の長さ次第短い全員の予定が揃うまで
共有関係解消できる自分だけ抜ける完全に解消
注意点安すぎると贈与税関係が悪化する一人の反対で止まる
向いているケース相手に買う資力がある早く現金化したい全員が売る気でいる
PR先にやること家の中を空ける家の中を空けるリショップナビ

1. 他の共有者に売る|いちばんもめにくいが、価格の付け方に注意

相手が買える資力を持っているなら、これが最も後を引きません。共有関係もその場で解消できます。ただし価格を安くし過ぎると、買った側に贈与税がかかります。

国税庁 No.4423「個人から著しく低い価額で財産を譲り受けたとき」

個人から著しく低い価額の対価で財産を譲り受けた場合には、その財産の時価と支払った対価との差額に相当する金額は、財産を譲渡した人から贈与により取得したものとみなされます。

(令和8年4月1日現在法令等)兄弟間で「安くしておくよ」と決めた金額が、買った側の贈与税になります。「共有持分を売却すると贈与税はかかりますか」への答えはここです。売る側の譲渡所得税とは別に、買う側に課税が起きます。時価からどれだけ離れているかが問題なので、近隣の成約価格を押さえてから金額を決めてください。

2. 第三者に売る|同意も連絡も要らない。早いが安い

共有持分を専門に扱う買取業者に売る方法です。他の共有者の承諾は要らず、手続きも短く済みます。一般の個人や通常の仲介では買い手がつきにくいため、実際の売り先は買取業者か投資家になります。仲介と買取のどちらでも形式上は可能ですが、仲介で個人の買主を探すのは現実的に難しいと考えてください。

この方法を選ぶと、残った共有者は赤の他人と共有することになります。何が起きるかは次の章に条文で書きました。先に読んでから決めたほうがいい部分です。

3. 全員で全体を売る|手取りはいちばん大きい

共有者全員が売主になって、普通の不動産として売る方法です。持分の買取価格ではなく市場価格で売れるので、手取りは最も大きくなります。代金は持分割合で分けます。問題は全員の同意が必要なことで、一人が反対すれば動きません。

売り出す前に直すかどうかの判断も、全員で決めることになります。費用も持分に応じた負担になるので、先に金額を出してから話し合ったほうが早く決まります。

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直したほうが高く売れるかどうかは物件ごとに違います。先に見積もりを取って、査定額と並べて判断してください。共有者に説明する材料にもなります。

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4. 土地なら分筆して単独名義にする

共有しているのが土地だけなら、分筆して各自の単独名義にしてから売る方法があります。建物がある場合や、分けると使いにくくなる土地では使えません。測量と分筆の費用、境界の確定が必要になるので、先に土地家屋調査士に当たってください。

共有持分を売却されたらどうなる|起きるトラブルは条文から読める

「共有持分を売却されたらどうなる」「どんなトラブルが起こるのか」も上位の質問です。買主は赤の他人になります。何をされる可能性があるかは、民法を読めば分かります。

住んでいる人は、買主に使用の対価を払う義務が生じる

民法第249条第2項

共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し、自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負う。

その家に住んでいるのが共有者の一人なら、持分を超えて使っている分の対価を、新しい買主に払う義務が生じます。「家賃を請求される」というのはこの条文の話です。ただし条文には「別段の合意がある場合を除き」と書かれています。兄弟間で決めていたことがあるなら、書面を探してください。

買主が敷地に出入りする

買主も共有者なので、249条1項により持分に応じた使用ができます。土地や私道の持分なら、立ち入りを拒む根拠がありません。

固定資産税を共同で負担することになる

買主も253条1項の負担を負います。請求書は代表者に届くので、誰がいくら払うかの精算を他人とすることになります。

共有物分割請求の裁判を起こされる

買主の本当の目的はここです。256条1項でいつでも請求でき、話し合いがつかなければ裁判になります。

民法第258条第1項

共有物の分割について共有者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、その分割を裁判所に請求することができる。

民法第258条第2項

裁判所は、次に掲げる方法により、共有物の分割を命ずることができる。

一 共有物の現物を分割する方法

二 共有者に債務を負担させて、他の共有者の持分の全部又は一部を取得させる方法

民法第258条第3項

前項に規定する方法により共有物を分割することができないとき、又は分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は、その競売を命ずることができる。

2号は、裁判所が「あなたが相手の持分を買い取れ」と命じる形です。買えなければ3項の競売に進みます。住んでいる家が競売になる可能性はここにあります。

他の共有者が勝手に売ったときの対処法

  • 買い戻す。買主に買い取りを申し入れる。相手は転売益を乗せてくるので高くなる
  • 自分の持分も売る。共有から抜ける。関係は戻らないが話は終わる
  • 自分から分割請求する。主導権を相手に渡さない。弁護士に相談する場面
  • 何もしない。固定資産税の精算と使用料の請求には応じる必要がある

どれを選ぶかは、その家に住み続けたいかどうかで決まります。住み続けたいなら、買い戻しか分割請求で単独名義にするしかありません。

固定資産税や管理費は誰が払うのか|1年払わないと持分を失うことがある

ここは競合ページがほとんど触れていない条文です。共有持分を持っているだけでも負担は発生します。

民法第253条(共有物に関する負担)

1 各共有者は、その持分に応じ、管理の費用を支払い、その他共有物に関する負担を負う。

2 共有者が一年以内に前項の義務を履行しないときは、他の共有者は、相当の償金を支払ってその者の持分を取得することができる。

固定資産税、修繕費、家の中の片付け費用も「共有物に関する負担」です。持分に応じて負担します。そして1年払わなければ、他の共有者が償金を払って持分を取り上げることができます。「自分は使っていないから払わない」を続けると、権利そのものを失う可能性があるということです。

逆に、自分だけが払い続けているなら記録を残してください。誰がいくら払ったかは、分割や売却のときの精算の材料になります。領収書と振込記録をまとめておくだけで、話し合いの材料が変わります。

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片付け費用を持分で割るには、先に総額が決まっている必要があります。残す物を抜いたあとの量で見積もりを取って、金額を共有者に見せる順番です。

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共有者の居所が分からないとき|裁判所が持分の譲渡を認める制度

連絡が取れない共有者が一人いるだけで、全体の売却は止まります。相続で名義が何代も前のままになっている土地では珍しくありません。民法にはこの場合の規定があります。

民法第262条の3第1項(所在等不明共有者の持分の譲渡)

不動産が数人の共有に属する場合において、共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、その共有者に、当該他の共有者(以下この条において「所在等不明共有者」という。)以外の共有者の全員が特定の者に対してその有する持分の全部を譲渡することを停止条件として所在等不明共有者の持分を当該特定の者に譲渡する権限を付与する旨の裁判をすることができる。

読みにくい条文ですが、要点は3つです。

  • 裁判所に請求する。当事者だけでは進められない
  • 他の共有者全員が売ることが条件(停止条件)になる。所在不明の人以外に一人でも反対がいれば使えない
  • 相続財産で、相続開始から10年を経過していないときは使えない(同条2項)

そして代金の扱いです。

民法第262条の3第3項

第一項の裁判により付与された権限に基づき共有者が所在等不明共有者の持分を第三者に譲渡したときは、所在等不明共有者は、当該譲渡をした共有者に対し、不動産の時価相当額を所在等不明共有者の持分に応じて按分して得た額の支払を請求することができる。

あとから本人が現れて請求してくる前提の制度です。受け取った代金のうち、その人の持分に相当する分は使わずに確保しておく必要があります。

建て替えなどの変更行為についても、同じ考え方の規定が251条2項に置かれています。所在が分からない共有者がいる場合は、裁判所の裁判で残りの共有者の同意だけで変更を加えられます。

税金はいくらかかるか|持分の割合で按分して、各自が申告する

「共有持分を売却すると税金はいくらかかりますか」は需要の上位です。計算の形は不動産全体を売ったときと同じで、金額だけが自分の持分の分になります。

譲渡所得 = 自分が受け取った金額 −(取得費 + 譲渡費用)

取得費は、親が買ったときの金額のうち自分の持分に相当する分です。相続した家なら被相続人の取得費と所有期間をそのまま引き継ぎます。売買契約書が見つからないときの扱いは、計算式を含めて不動産売却の税金の記事にまとめてあります。

税率は所有期間で変わる

  • 短期譲渡所得(譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年以下):所得税30%、住民税9%
  • 長期譲渡所得(同じく5年超):所得税15%、住民税5%
  • 復興特別所得税は基準所得税額に2.1%

出典は国税庁 No.3208・No.3211(いずれも令和8年4月1日現在法令等)です。所有期間の判定は売った日ではなく譲渡した年の1月1日現在で見ます。ここを1年間違えると税額が倍近く変わります。

3,000万円控除は共有者ごとに使える

質問で4番目に多いのがこれです。答えは国税庁のページに明記されています。

国税庁 No.3308「共有のマイホームを売ったとき」

この特例の適用を受けることができる共有者1人につき最高3,000万円です。

また、家屋は共有でなく、敷地だけを共有としている場合、家屋の所有者以外の者は原則としてこの特例の適用を受けることはできません。

(令和8年4月1日現在法令等)共有者全員で3,000万円ではなく、一人あたり最高3,000万円です。ただしマイホームを売ったときの特例なので、自分が住んでいた家であることなどの要件を満たす必要があります。そして土地だけを共有している人は原則として使えません。建物の持分を持っていない人がここで落ちます。

相続した空き家を売る場合は、要件が別の特例になります。期限の数え方は空き家の売却の記事に分けて書きました。

確定申告は誰がするのか

共有者それぞれが、自分の持分について自分で申告します。一人がまとめて申告することはできません。「確定申告は誰がするのですか」への答えはこれです。

利益が出ていなくても、3,000万円控除などの特例を使って税額がゼロになる場合は申告しないと特例が適用されません。控除で払う税金がなくなる人も申告が必要です。

費用はいくらかかるか|登録免許税の税率と、書類は法務局で確かめる

「共有持分を売却する費用はいくらですか」への答えです。売主側で確実に出るのは次のものです。

登録免許税

国税庁 No.7191「登録免許税の税額表」(令和8年4月1日現在法令等)から、関係する税率を挙げます。

  • 土地の売買による所有権移転登記:本則 1,000分の20。令和11年3月31日までに登記を受ける場合は1,000分の15
  • 相続による所有権移転登記:1,000分の4

売買では登録免許税を買主が負担するのが通例ですが、法律でそう決まっているわけではありません。誰が払うかは契約書で確認してください。なお相続した持分を売るなら、先に相続登記を済ませる必要があります。その登記の税率が1,000分の4です。

そのほかの費用

  • 印紙税。売買契約書ごとにかかる
  • 司法書士報酬。登記を頼む場合
  • 仲介手数料。買取業者に直接売る場合は発生しないことが多い
  • 測量・分筆費用。土地を分けて売る場合のみ
  • 抵当権抹消の登記費用。住宅ローンが残っている場合

登記と税金には定価がありますが、見落としやすいのが家の中の物の処分費です。量で決まるので、見積もりを取らないと金額が出ません。共有なら253条1項でこれも持分に応じた負担になります。

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処分費は量と搬出経路で決まります。残す物を抜いたあとの量で見積もりを取れば、持分で割る総額が確定します。

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必要書類は法務局で確認する

「どんな書類が必要ですか」という質問には、確定的な一覧を出しません。登記の内容と依頼先で変わるからです。一般には権利証(登記識別情報)、印鑑登録証明書と実印、本人確認書類、土地なら測量図や境界確認書が求められますが、相続が絡むかどうかで必要なものが増えます。

確かめ方は2つです。管轄の法務局の登記相談で、自分のケースに必要な書類を聞く。不動産会社や買取業者に頼む場合は、先に書面でリストをもらう。口頭で言われた分だけ用意して、決済の直前に足りないものが出るのがいちばん困ります。

メリットとデメリット、売る前の注意点

持分だけを売るメリット

  • 他の共有者の同意を待たなくていい。話し合いが止まっている状態から抜けられる
  • 固定資産税と管理の負担から外れる。253条の負担がなくなる
  • 分割請求の裁判に巻き込まれない。当事者でなくなる
  • 現金化が早い。買取なので買い手探しの期間がない

デメリット

  • 金額が下がる。全体の価格に持分割合を掛けた額より安くなる
  • 他の共有者との関係が壊れる。法律上の義務はなくても、事実としてそうなる
  • 残った共有者が他人と共有することになる。その後の分割請求や使用料の請求は、残った人に向かう

売る前の注意点

  • 登記簿で自分の持分割合を確認する。記憶と違っていることがある。法務局で誰でも取れる
  • 共有者が何人いるかを確認する。相続が重なっていると、知らない親族が共有者になっている
  • 住宅ローンと抵当権の有無を確認する。残っていれば金融機関の手続きが先
  • 土地と建物で持分割合が違うことがある。別々に登記されているので両方見る
  • 他の共有者に先に声をかけるか決める。買い取ってもらえるなら、それがいちばん高く売れる相手になることもある

最後の1つが実務では大きいところです。買取業者に売る前に、他の共有者に「買わないか」と聞くだけで価格が変わる場合があります。相手にとっては単独名義になる価値があるので、業者の提示額より高く出せることがあるからです。

この記事で確認できなかったこと

  • 共有持分の買取相場。公的な統計を見つけられませんでした。業者が公表している「市場価格の○○%」は各社の基準なので採用していません。代わりに、全体の査定額に持分割合を掛けた基準値を自分で作って提示額と比べる手順だけを書きました
  • 民法の共有制度を改めた令和3年の改正法の施行日。e-Gov法令APIが404を返し、法務省のページにも施行日の記載がありませんでした。本文の条文は2026年10月4日時点の現行法です。施行日が必要な場合は法務省にご確認ください
  • 売却に必要な書類の確定的な一覧。登記の内容で変わるため、法務局の登記相談で確認する手順に替えました
  • 共有物分割請求訴訟の件数や平均期間。裁判所の統計で共有物分割に絞った数字を確認できませんでした

よくある質問

共有持分は売却できないのですか?

売却できます。自分の持分だけなら他の共有者の同意なしで売れます。売れないのは「不動産全体」で、こちらは共有者全員が売主になる必要があります。

共有持分を売却する相場はいくらですか?

公的な統計は確認できませんでした。先に不動産全体の価格を把握して持分割合を掛け、その基準値と業者の提示額を比べてください。

共有持分を単独で売却することはできますか?

できます。民法に持分の売却を禁じる条文はなく、他人の持分に手を付ける行為でもないため、単独で売却できます。

共有持分を売却したら3000万円控除は受けられますか?

要件を満たせば受けられます。国税庁No.3308に「この特例の適用を受けることができる共有者1人につき最高3,000万円です」と明記されています。ただし敷地だけを共有している人は原則として使えません。

共有持分を売却すると税金はいくらかかりますか?

譲渡所得(受け取った金額−取得費−譲渡費用)に対して、長期なら所得税15%・住民税5%、短期なら所得税30%・住民税9%です。復興特別所得税が所得税額の2.1%加わります。

共有持分を勝手に売却することはできますか?

自分の持分なら法律上は可能です。罪にもなりません。ただし他の共有者との関係は壊れます。

共有持分を売却されたらどうなる?

買主が共有者として入ってきます。持分を超えて使っている人は使用の対価を請求され、固定資産税の精算も他人とすることになり、共有物分割請求の裁判を起こされる可能性があります。

共有持分を売却するとどんなトラブルが起こるのか?

使用料の請求、敷地への立ち入り、固定資産税の共同負担、共有物分割請求訴訟、そして裁判所が競売を命じるケースです。

共有持分を売却すると贈与税はかかりますか?

売主にはかかりませんが、著しく低い価額で売ると買った側に贈与税がかかります。時価との差額が贈与とみなされます。

共有持分を売却したら確定申告は誰がするのですか?

共有者それぞれが自分の持分について自分で申告します。一人がまとめて申告することはできません。

共有持分を売却するにはどんな書類が必要ですか?

登記の内容と依頼先で変わります。権利証(登記識別情報)や印鑑登録証明書などが一般的ですが、確定的な一覧は管轄の法務局の登記相談で確認してください。

共有持分を売却する費用はいくらですか?

印紙税、司法書士報酬、登記費用が基本です。買取業者に直接売るなら仲介手数料は発生しないことが多く、土地を分けるなら測量・分筆費用が加わります。

共有持分を売却する流れは?

持分割合と共有者の人数を登記簿で確認する→全体の価格の基準値を出す→他の共有者に買う意思があるか確かめる→なければ買取業者に当たる、という順番です。

共有持分を売却するときの注意点は?

登記簿で持分割合を確認すること、土地と建物で割合が違う場合があること、住宅ローンと抵当権の有無、そして業者に売る前に他の共有者へ声をかけるかを決めることです。

共有持分を売却するメリットは?

他の共有者の同意を待たずに共有から抜けられること、固定資産税と管理の負担が外れること、分割請求の裁判に巻き込まれなくなることです。

共有持分を売却するデメリットは?

全体の価格に持分割合を掛けた額より安くなること、他の共有者との関係が壊れること、残った共有者が他人と共有する状態になることです。

ペアローンの共有持分は売却できますか?

住宅ローンが残っていると抵当権が付いているため、金融機関の手続きが先に必要です。持分だけを売って抵当権を外せるかは契約によるので、返済中の金融機関に確認してください。

離婚した共有持分は売却できますか?

できます。離婚後も共有名義が残っているなら、自分の持分は相手の同意なしで売れます。ただしローンが残っている場合は上と同じで金融機関の手続きが先です。

共有持分の私道は売却できますか?

私道の持分も売却の対象になります。ただし私道単独では買い手が付きにくく、通行や掘削の承諾が絡むため、接する土地と一緒に扱うのが現実的です。

共有持分のマンションは売却できますか?

できます。専有部分が共有名義なら、その持分だけを売ることは可能です。敷地権や共用部分の持分は専有部分と一体で動きます。

共有持分を任意売却することはできますか?

ローンの返済が難しくなった場合の任意売却は、債権者の同意が前提になります。持分だけの任意売却に応じるかは金融機関の判断なので、まず債権者に相談してください。

共有持分は破産管財人によって売却される?

共有者が破産した場合、その人の持分は破産財団に入り、破産管財人が処分する対象になります。他の共有者の持分は対象外です。

共有持分は仲介と買取で売却できますか?

形式上はどちらも可能ですが、一般の個人が持分だけを買う動機は乏しいため、仲介で買主を探すのは難しいのが実情です。実際の売り先は専門の買取業者か投資家になります。

共有持分を親族が売却することはできますか?

共有者である親族が自分の持分を売ることは、本人の権利なので止められません。代理で他人の持分を売るには委任が必要です。

共有持分を海外で売却するにはどうしたらいいですか?

日本国内の不動産であれば、売主が海外に住んでいても売却できます。印鑑登録証明書の代わりに在外公館で署名証明を取得する必要があるため、早めに領事館に確認してください。

民法で共有持分を売却するにはどうしたらいいですか?

民法に売却手続きを定めた条文はありません。206条の処分する権利と、249条・251条が他の共有者に関わる行為だけを制限している構造から、持分の売却ができると読み取れます。

共有持分売却とは何ですか?

1つの不動産を複数人で所有しているときに、自分の持ち分の権利だけを他人に譲り渡すことです。不動産そのものを売るのとは別の行為です。

共有持分を売却するとはどういうことですか?

不動産そのものを渡すのではなく、その不動産に対する自分の権利の割合を渡すということです。建物や土地が物理的に分かれるわけではないので、買主はあなたと同じ立場の共有者として入ってきます。

共有持分を売却してもいいですか?

法律上は問題ありません。自分の持分は自分の権利なので、売ってもいいかを他の共有者に確認する義務はありません。ただし残る共有者に影響が出るので、先に買い取る意思があるかを聞いてから決めると、金額も関係も悪くなりにくくなります。

まとめ

  • 自分の持分だけなら、他の共有者の同意も連絡も要らずに売れる。民法に禁じる条文がない
  • 不動産全体を売るには共有者全員が売主になる。一人の反対で止まる
  • 持分だけだと安くなる。買主は249条1項の使用しかできず、251条1項で変更もできないため
  • 買取相場の公的な統計はない。全体の査定額×持分割合で基準値を作ってから提示額と比べる
  • 3,000万円控除は共有者1人につき最高3,000万円。ただし敷地だけの共有では原則使えない
  • 確定申告は共有者それぞれが自分で行う
  • 1年負担を払わないと、他の共有者が償金を払って持分を取得できる(253条2項)
  • 業者に売る前に、他の共有者に声をかけるか決める。単独名義になる価値の分、高く出せることがある

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共有の家を売る前に、中の物を空ける作業が必ず入ります。残す書類を抜いたあとの量と搬出経路を伝えて、総額と追加条件を書面で出してもらってください。

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