外壁塗装のアスベスト調査|不要なケースと、レベル・費用・報告が必要な規模

外壁塗装のアスベスト調査 不要なケースはあるのか

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外壁塗装の見積書に「石綿事前調査」という行が入っていて、何の費用なのか分からない。あるいは業者から「アスベストの調査が要ります」と言われた。どちらも、いまは法令で決まっている手続きです。

目次

結論:解体・改修工事は規模にかかわらず事前調査が必要。外壁の塗料そのものに石綿が入っていることがある

石綿というと「吹き付けアスベスト」を思い浮かべますが、外壁塗装で問題になるのは仕上塗材——リシンや吹付けタイルといった、外壁の表面をつくっている塗材そのものです。

そして事前調査は、埼玉県が発注者向けにこう説明しています。

「解体・改修工事を行う際には、元請業者はその規模の大小にかかわらず工事前に解体・改修作業に係る部分の全ての材料について、石綿含有建材(特定建築材料)の吹付け石綿(レベル1)、断熱材等(レベル2)、成形板等(レベル3)の有無を事前に確認する必要があります」

規模の大小にかかわらず、です。小さい工事だから要らない、という線引きではありません。

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外壁の「仕上塗材」に石綿が入っていた

環境省の資料では、石綿を含んでいた仕上塗材が種類別に整理されています。

種類具体的な呼び名
薄塗材セメントリシン、樹脂リシン、溶剤リシン、弾性リシン
複層塗材セメント系・アクリル系・シリカ系の吹付けタイル
厚塗材セメントスタッコ、樹脂スタッコ
軽量塗材吹付けパーライト、吹付けバーミキュライト

製造時期は、同資料では軽量塗材が1965年〜1992年、複層塗材Eや厚塗材Cなどが1970年〜1999年とされています。

もう一つの資料があります。日本建築仕上材工業会が会員会社に実施したアンケートの結果で、こちらでは販売時期が1965年〜2005年、石綿の含有量は0.1%〜24.4%と公表されています(下地調整塗材を含む)。

2つの資料で年代の上限が違いますが、どちらを取っても2000年代前半までに建てられた家では、外壁の仕上塗材に石綿が入っている可能性があるということになります。

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アスベストはいつまで使われていたのか

「外壁塗装のアスベストはいつまでか」「使われていた年代は?」という質問への答えは、法令の施行日にあります。厚生労働省の資料には、平成18年(2006年)9月1日より、石綿および石綿をその重量の0.1%を超えて含有する全ての物の製造・輸入・譲渡・提供・使用が禁止されていますと書かれています。禁止が猶予されていた3製品についても、平成23年(2011年)3月1日以降は全面禁止とされています(同資料の文言、2026年9月30日確認)。

つまり2006年9月より前に着工した家では、石綿を含む建材や仕上塗材が使われている可能性があります。それ以降に建てられた家では可能性が低くなります。

ただし年代は目安にしかなりません。禁止前に仕入れた材料が使われた例もありますし、事前調査そのものは工事の規模や築年数にかかわらず必要です(この記事の最初に書いたとおりです)。

見分け方としては、築年数と、外壁の仕上げがリシンや吹付けタイルかどうかが手がかりになります。ただし見た目だけで含有の有無は判断できません。このあとに書くように、国のデータベースでも仕上塗材は引けません。最終的には事前調査の結果で確認することになります。

いつから何が義務になったのか

  • 令和3年4月〜:内容:解体・改修の作業前に、設計図書等の文書の確認と目視の両方で石綿の有無を調査する。記録は調査終了日から3年間保存し、作業場に掲示する
  • 令和4年4月〜:内容:一定規模以上の工事は、事前調査の結果を電子システムで報告する
  • 令和5年10月1日〜:内容:建築物の事前調査は有資格者が行う。「一般建築物石綿含有建材調査者、特定建築物石綿含有建材調査者またはこれらの者と同等以上の能力を有すると認められる者」
  • 令和8年1月〜:内容:工作物の事前調査も有資格者が行う

令和5年10月1日からの有資格者要件が、発注する側にとっては一番はっきりした確認ポイントです。誰が調査するのか、その人は資格を持っているのかを聞けます。

調査や報告をしなかったらどうなるのか|報告義務違反は30万円以下の罰金

事前調査をしていないとどうなるのか、調査を無視して工事を始めたらどうなるのか、という疑問はよく出てきます。しないとどうなるかは何を怠ったかで分かれます。

報告をしなかった場合

事前調査はどうやるのか、何をするのかは前の章のとおりです。手順をフローチャートの形にすると「書面を見る → 目で見る → 判断がつかなければ分析する → 記録して報告する」の順になります。このうち報告を行政にする義務は、大気汚染防止法第18条の15第6項に置かれています。長崎市の説明では、この義務に違反した場合の罰則を次のように書いています。

事前調査の結果の報告義務違反:30万円以下の罰金

長崎市「石綿(アスベスト)に関する規制について」2024年11月11日更新。根拠は大気汚染防止法第34条第3号及び第35条第4号

名古屋市も同じ金額を書いています(2025年11月27日更新)。2つの自治体で同じ数字だったので、この記事ではこの金額を採用しています。報告が必要になる工事の規模は、大気汚染防止法施行規則第16条の11第1項が定めています。

除去の手順を守らなかった場合

名古屋市の説明では、隔離などをせずに吹付け石綿等の除去作業を行った場合(除去等の措置の義務違反)は3月以下の懲役または30万円以下の罰金とされています。報告を出し忘れるより重い扱いです。

事前調査そのものをしなかった場合

事前調査は石綿障害予防規則第3条第1項が定めています。

事業者は、建築物、工作物又は船舶(鋼製の船舶に限る。以下同じ。)の解体又は改修

石綿障害予防規則第3条第1項の冒頭(e-Gov法令検索)

この続きで、作業を行うときは石綿等の使用の有無を調査しなければならないと定められています。こちらは労働安全衛生法に基づく厚生労働省令なので、違反したときの扱いは大気汚染防止法の報告義務違反とは別の系統になります。具体的な罰条までは、この記事では条番号を確認できませんでした。確かなのは、調査をしないまま解体や改修を始めることは法令違反にあたるということです。

施主に罰則はあるのか

上に挙げた義務は、いずれも工事をする側(事業者)に向けられたものです。発注した施主に直接の罰金があるわけではありません。ただし、前の章に書いたとおり、調査費用を適正に負担することと、作業基準を守れなくなるような工期や金額の条件を付けないことが、発注者側に求められています。

調査するのは元請か下請か|報告の義務者は元請業者または自主施工者

「下請けが調査するのか」という質問が多く出てきます。施主から見ると、誰に聞けばいいのかという話になります。

環境省は、事前調査の義務を負う者をこう書いています。

建築物等を解体し、改造し、または補修する作業を伴う建設工事の元請業者又は自主施工者

環境省「石綿事前調査結果の報告について」

つまり調査と報告の責任は元請にあります。下請けに実際の作業を任せることはあっても、義務そのものは元請から下請へ移りません。自分で工事をする場合(自主施工者)は、その人が義務を負います。

一方、石綿障害予防規則のほうは義務の主語が「事業者」です。労働者を使って作業をする会社はすべて事業者なので、元請も下請も規則の対象になります。法律が2本あり、それぞれ義務を負う人の決め方が違う、というのがこの質問の答えです。

発注する側としては、見積りを出してきた会社(元請)に聞けば足ります。「事前調査は誰がやりますか」「資格を持っている人ですか」「報告は出しますか」の3つです。下請けに直接確認する必要はありません。

一戸建ての調査費用はどれくらいか

一軒家の調査費用がいくらかという質問も出てきます。ただし金額は採取する試料の数で決まるので、家の大きさだけでは決まりません。

  • 書面と目視だけで終わる場合|設計図書が残っていて、使われている建材が石綿を含まないと判断できるとき。分析の費用はかかりません
  • 分析が必要になる場合|判断がつかない建材があるとき。その建材ごとに試料を採って分析します。箇所数が増えれば金額も増えます

だから見積りを取るときは、総額ではなく「分析は何箇所分を見込んでいるか」を聞いてください。同じ家でも、見込む箇所数が違えば金額が変わります。箇所数をそろえないと会社どうしの比較になりません。

なお、報告が必要かどうかを判断する請負代金には、事前調査の費用は含みません(環境省)。調査費を足したら100万円を超えるかどうか、を気にする必要はないということです。

エアコンの穴あけのような小さい工事でも調査は要るのか

壁に穴を開けるだけ、という工事でも調査が要るのか。解体工事では必須なのは分かるとして、小さい改修はどうなるのか。石綿障害予防規則第3条第1項は「解体又は改修」の作業を対象にしているので、壁や天井に手を入れる作業は改修にあたります。

ただし、実務で分かれるのは報告のほうです。報告が必要なのは請負代金100万円以上の改造・補修なので、エアコン1台の取り付け工事で報告が必要になることはまずありません。調査は対象、報告は対象外、という組み合わせになります。

ここが「報告がいらない=調査もいらない」と誤解されやすいところです。調査と報告は別の義務です。規模が小さくても調査の対象から外れるわけではありません。

どこまでが「極めて軽微で石綿が飛ばない作業」として扱われるかの線引きは、この記事では公的資料で確認できませんでした。工事を頼む会社に「この工事は事前調査の対象ですか」と聞くのが確実です。

地域の調査会社はどうやって探すのか

「◯◯県 アスベスト調査」「◯◯市 アスベスト調査会社」のように地域名で探す人も多くいます。ただし施主が調査会社を自分で手配する必要はありません。調査は元請業者の義務なので、工事を頼む会社が調査者を手配します。

自分で調べておくと役に立つのは、次の2つです。

  • 資格者がいるか|建築物の事前調査は令和5年10月1日から有資格者が行うことになっています。「どの資格の人が調査しますか」と聞けます
  • 報告を出すか|報告は石綿事前調査結果報告システムから行います(環境省)。「報告は出しますか」と聞くと、規模要件の判断をしているかが分かります

北海道でも沖縄県でも、聞くことは同じです。地域で変わるのは報告を出す先の行政機関であって、手順ではありません。「沖縄 アスベスト調査会社」のような調べ方をしても、確かめる中身は上の2つです。

「アスベスト調査が不要なケース」はあるのか

この記事に来る質問で最も多いのが、これです。答えは「ある。ただし3つの別の話が混ざっている」です。厚生労働省「石綿障害予防規則等による規制の概要」にそって、分けて書きます。

① 着工日が平成18年9月1日以降なら、文書の確認だけで足りる

「建築物若しくは工作物の新築工事(中略)の着工日(中略)が平成十八年九月一日以降である解体等対象建築物等」については、「当該着工日等を設計図書等の文書で確認する方法」で事前調査を行ったものとみなされます(石綿障害予防規則第3条第3項第3号)。理由は同じ資料に書かれていて、「石綿等は、一部のガスケット又はグランドパッキンを除き、平成18年9月1日以降は製造し、輸入し、譲渡し、提供し、又は使用することが禁止されている」からです。

つまり2006年9月1日以降に着工した家なら、着工日を書類で示せば現地の調査まではいりません。確認申請書や工事請負契約書など、着工日が分かる書類を探しておいてください。

② 触る材料が木・金属・石・ガラスだけなら対象外

「除去等を行う材料が、木材、金属、石、ガラス等のみで構成されているもの」のように石綿が含まれていないことが明らかな場合は、調査の対象外です(第3条第1項後段)。ただし外壁塗装でここに当てはまる場面はほとんどありません。仕上塗材そのものが対象だからです。

③ 分析だけを省く方法もある

調査は要るが検体を取って分析するところまでは省ける、という場合が2つあります。

  • 製品の製造年月日が平成18年9月1日以降であることを確認する方法(第3条第2項第2号)
  • 事業者が「石綿等が使用されているものとみなして」必要な措置を講ずる場合(第3条第5項ただし書)。調べずに「入っている前提」で養生や隔離をするやり方です

②の「みなし」は、分析費用と工期を省くかわりに対策費がかかります。どちらが安いかは現場によるので、見積書に「みなし含有で対応」と書かれていたら、その分の養生費が入っているかを見てください。

「報告が不要」と「調査が不要」は別の話

よく混ざるのがここです。報告が必要になるのは、建築物の解体なら「床面積の合計が八十平方メートル以上であるもの」、建築物の改修なら「請負代金の額が百万円以上であるもの」です(第4条の2第1項)。

この規模に届かなければ報告は要りません。ただし調査が要らなくなるわけではありません。小さい工事でも事前調査そのものは必要で、記録は3年間保存します。「100万円未満だから調査もしなくていい」と言う業者がいたら、そこは誤りです。

報告が必要になる「請負代金100万円」の数え方

報告の対象は、石綿則第4条の2ではこう定められています。

工事規模の要件
建築物の解体工事に係る部分の床面積の合計が80㎡以上
建築物の改修工事の請負代金の額が100万円以上
工作物厚生労働大臣が定めるもので、請負代金100万円以上

環境省の側も「建築物を改造し、又は補修する作業を伴う建設工事であって、当該作業の請負代金の合計額が100万円以上であるもの」としています。

この100万円の数え方が、厚生労働省の報告システムのFAQに書かれています。

  • 「『請負代金の合計』とは、材料費も含めた当該解体等工事全体の請負代金の額をいい、消費税を含む額です。ただし、事前調査の費用は含みません」
  • 「解体等工事を同一の者が二つ以上の契約に分割して請け負う場合においては、これを一つの契約で請け負ったものとみなして」報告条件に該当するか確認する

材料費込み、消費税込みです。外壁塗装の工事費はこの水準を超えることが珍しくありません。そして契約を分けても合算して判定することになっています。「分ければ100万円未満になる」という話ではありません。

「アスベストレベル」はいくつになるのか

「外壁塗装でアスベストレベルはいくつですか」という質問があります。このレベルは、石綿を含む建材を発じん性(粉じんの飛びやすさ)で3段階に分けた区分です。条文の言葉ではありませんが、見積書や説明のなかで使われます。

厚生労働省のパンフレットに示されている区分(2026年9月30日確認)。発じん性の表現は同資料の文言です。

  • レベル1:発じん性:発じん性が著しく高い/該当する建材の例:吹付け石綿、石綿含有吹付けロックウール、ひる石吹付け、バーライト吹付け
  • レベル2:発じん性:発じん性が高い/該当する建材の例:耐火被覆板(ケイカル板2種)、断熱材(煙突・屋根折板)、保温材
  • レベル3:発じん性:発じん性が比較的低い/該当する建材の例:スレート、石綿含有岩綿吸音板、Pタイル、ケイカル板1種、サイディング、石綿セメント板

戸建ての外壁塗装で関係するのは、ほとんどがレベル3です。スレートやサイディング、石綿セメント板といった成形板がここに入ります。環境省の資料では、レベル3の基本の対策として破砕せずに除去すること、せん孔した箇所などに水または薬液を散布して湿らせること、作業場所の周囲を養生シート等で囲うことが挙げられています。

ただし例外があります。外壁の仕上塗材のうち、吹き付けで施工されたものは大気汚染防止法上の「吹付け石綿」に該当するとされており、ローラー塗りのものより厳しい扱いになります(環境省の資料)。同じ仕上塗材でも、施工方法で区分が変わります。「レベル3だから軽い」と決めてしまわず、吹き付けかローラー塗りかを事前調査の結果で確認してください。

塗り替えの工法で、必要な対策が変わる

石綿を含む仕上塗材を落とす作業について、環境省の資料は工法ごとに措置を分けています。

  • 電動工具:求められる措置:「除じん性能を有する電動工具を使用」し、「常時湿潤な状態に保つこと」。隔離養生が必要(負圧までは不要)
  • 高圧水洗:求められる措置:「水による湿潤化と仕上塗材の除去が一体的に行われる」。「薬液等により湿潤化すること」と、廃水の回収・処理が必要
  • 剥離剤:求められる措置:「剥離剤を用いることにより、作業基準で求められる湿潤化等を実施していると考えられる」。ただし「事前に試験施工を実施」して有効性を確認する
  • 共通:求められる措置:高性能真空掃除機で清掃し、二重梱包で廃棄する

つまり同じ「ケレン」「下地処理」でも、やり方によって手間も廃棄物の扱いも変わります。見積書の下地処理の項目に工法が書かれていないと、何をするのか分かりません。

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発注する側(施主)に求められること

埼玉県の発注者向けの説明には、こう書かれています。

「元請業者がおこなう事前調査に使用する設計図書等の提供や調査費用を適正に負担するなどその調査に協力する必要があります。また、施工方法、工期、工事費その他当該工事の請負契約に関する事項について、作業基準の遵守を妨げるおそれのある条件を付さないように配慮することが必要です」

読み替えると、次の2つです。

  1. 調査費用を適正に負担する。「この調査費用は要らないから引いて」は、協力が必要とされている部分を削ることになります
  2. 工期や金額で、作業基準を守れなくなるような条件を付けない。「来週までに終わらせて」と無理に縮めさせると、隔離養生や湿潤化の手順が飛ぶ余地をつくります

新築時の図面が残っているなら、それを出すのも「設計図書等の提供」にあたります。事前調査は文書の確認と目視の両方でやることになっているので、図面があると調査そのものが早く正確になります。

自分の家の仕上塗材を調べられるか

ここは注意が要ります。国土交通省と経済産業省の「石綿(アスベスト)含有建材データベース」がありますが、接着剤・塗料・建築用仕上塗材は主な検索の対象に入っていません。関連情報としてリンクされている扱いです。外壁の仕上塗材を、このデータベースで引くことはできません。

仕上塗材については、日本建築仕上材工業会が公開しているアンケート結果が手がかりになります。ただし、同会自身がこう断っています。

  • 「全ての情報を網羅したものではなく」
  • 「情報の正確性を担保するものではありません」
  • 「個々の製品に関する情報については、当該製品の取扱会社に直接お問い合わせ下さい」

国交省のデータベースにも「実際に存在する石綿含有建材を検索できない場合があります」という注意書きがあります。調べて出てこなかったことは、入っていない証明にはなりません。最終的には事前調査で見てもらうことになります。

確認が取れなかったこと

正直に書きます。既存の塗膜を削らず、上から塗り重ねるだけの塗り替えが事前調査の対象になるのかどうかは、厚生労働省・環境省の公開資料の中に明示を見つけられませんでした。

条文の入り口は「解体又は改修の作業」「建築物を改造し、又は補修する作業」で、塗装をどう扱うかを名指しした記述に当たりませんでした。環境省の仕上塗材のマニュアルは「除去等作業」を前提に書かれています。

ここは推測で埋めずに、工事を頼む元請業者に、この工事が事前調査の対象になるのかを確認してください。判断するのは元請業者の側です。

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見積書と打ち合わせで確認する4点

  1. 事前調査を誰がやるのか。令和5年10月1日から、建築物の事前調査は有資格者が行うことになっています
  2. 調査結果の記録をもらえるか。記録は3年間保存し作業場に掲示することになっています。写しを見せてもらえます
  3. 下地処理の工法が書かれているか。電動工具・高圧水洗・剥離剤で、必要な措置も廃棄物の扱いも変わります
  4. 石綿が出た場合に金額がどうなるか。調査の結果しだいで工事の中身が変わります。「出たらどうなるか」を先に聞いておきます

この4点は、2社以上に同じことを聞くと差が出ます。同じ条件で比べる手順は見積書の見方の記事にまとめています。

よくある質問

調査はどのように行うのですか

設計図書などの文書と、現地での目視の両方で行います。令和5年10月からは、厚生労働大臣が定める者(建築物石綿含有建材調査者など)に行わせることが義務になりました。必要なら検体を取って分析します。記録は3年間保存し、作業場に掲示します。施主側は、調査をした人の資格と、調査日・調査範囲が書かれた記録をもらえるかを聞いてください。

石綿が入っていた場合の撤去方法は

塗り替えでは、既存の仕上塗材を全部剥がさないことのほうが多く、剥がさなければ撤去の話にはなりません。剥がす場合は、湿潤化したうえで、ディスクグラインダー等の電動工具を使うなら作業場の隔離が必要です(令和3年4月から)。詳しい手順と年代・レベルの区分はリシン吹き付けとはのほうに書いています。

築年数が新しければ関係ありませんか

仕上塗材の販売時期は、日本建築仕上材工業会の資料で1965年〜2005年、環境省の資料では型によって1992年や1999年までとされています。2000年代半ば以降に建てられた家であれば可能性は下がりますが、増築や過去の塗り替えで古い材料が使われていることもあります。判断は事前調査によります。

事前調査の費用はいくらですか

公的な資料で相場を確認できなかったので、金額は書きません。見積書に項目として出てくるはずなので、そこで確認してください。

石綿が入っていたら塗装できないのですか

そうではありません。環境省の資料は、石綿を含む仕上塗材を除去する作業について工法ごとの措置を定めています。措置を取って施工することが前提になっている、という整理です。

シーリング(コーキング)も対象になりますか

日本建築仕上材工業会の資料は仕上塗材と下地調整塗材を対象にしたもので、シーリング材そのものは含まれていません。シーリングの打ち替えは既存の材料を撤去する作業なので、対象かどうかは元請業者に確認してください。打ち替えと増し打ちの違いはコーキングの記事にまとめています。

調査を断ることはできますか

事前調査は元請業者に課された義務です。発注者の側は、調査費用を適正に負担するなど調査に協力することが必要とされています。

まとめ

  • 解体・改修工事の事前調査は、元請業者が規模の大小にかかわらず行うことになっている
  • 外壁の仕上塗材(リシン、吹付けタイル、スタッコなど)に石綿が入っていることがある
  • 販売時期は日本建築仕上材工業会の資料で1965年〜2005年、含有量0.1%〜24.4%
  • 令和5年10月1日から、建築物の事前調査は有資格者が行う
  • 報告が必要なのは、解体は床面積80㎡以上、改修は請負代金100万円以上。材料費・消費税込みで、契約を分けても合算して判定する
  • 下地処理の工法(電動工具・高圧水洗・剥離剤)で必要な措置が変わる
  • 発注者は調査費用を適正に負担し、作業基準の遵守を妨げる条件を付けない配慮が必要とされている
  • 石綿含有建材データベースでは仕上塗材は引けない。調べて出てこなくても、入っていない証明にはならない
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