仲介手数料の計算|+6万円の出どころと、800万円ちょうどで33万円になる理由

仲介手数料の計算 +6万円の出どころ 告示の料率と、800万円で33万円が一致する理由

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不動産を売るときの仲介手数料は、「売買価格×3.3%+6.6万円」が上限です(400万円を超える場合)。よく見る「3%+6万円+消費税」と同じ金額で、告示に書かれているのは税込の数字のほうです。

この記事で確かめたいのは「+6万円」がどこから来た数字なのかです。答えは、料率が3段階に分かれていることの帳尻合わせで、算術で最後まで出せます。知っておくと、見積書の金額が正しいかを自分で検算できます。

もう一つ。2024年7月1日から、800万円以下の物件は上限が33万円になりました。この33万円という数字も、800万円ちょうどの通常計算と完全に一致します。偶然ではありません。

根拠は宅地建物取引業法第46条と、同条にもとづく国土交通省の告示です。条文の原文から順に見ていきます。

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目次

仲介手数料の上限は、法律ではなく告示で決まっている

宅地建物取引業法第46条は、金額そのものを書いていません。

宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。

宅地建物取引業者は、前項の額をこえて報酬を受けてはならない。

国土交通大臣は、第一項の報酬の額を定めたときは、これを告示しなければならない。

宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、第一項の規定により国土交通大臣が定めた報酬の額を掲示しなければならない。

第1項で「国土交通大臣の定めるところによる」と委ね、第3項で「告示しなければならない」としています。つまり金額の中身は法律の条文ではなく告示にあるということです。該当するのが昭和45年10月23日建設省告示第1552号(宅建業法の告示)で、直近の改正が令和6年6月21日国土交通省告示第949号、施行は令和6年7月1日です。

見落とされがちなのが第4項です。不動産会社は事務所ごとに、公衆の見やすい場所に報酬額を掲示する義務があります。店の壁に貼ってある報酬額表は飾りではなく、法律で求められているものです。説明に納得できないときは、その掲示を見せてもらうのがいちばん早い確認方法になります。

そして第2項。「前項の額をこえて報酬を受けてはならない」。告示の額は上限であって、定価ではありません。この読み分けが、あとで出てくる値引き交渉の話につながります。

売買の媒介の上限|料率は3段階(告示第二)

告示の第二が、売買の媒介についての規定です。長いですが原文を引きます。

宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買又は交換の媒介に関して依頼者から受けることのできる報酬の額(当該媒介に係る消費税等相当額を含む。)は、依頼者の一方につき、それぞれ、当該売買に係る代金の額(当該売買に係る消費税等相当額を含まないものとする。)又は当該交換に係る宅地若しくは建物の価額(当該交換に係る消費税等相当額を含まないものとし、当該交換に係る宅地又は建物の価額に差があるときは、これらの価額のうちいずれか多い価額とする。)を次の表の左欄に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に同表の右欄に掲げる割合を乗じて得た金額を合計した金額以内とする。

その「次の表」がこれです。

代金の額割合
200万円以下の金額100分の5.5
200万円を超え400万円以下の金額100分の4.4
400万円を超える金額100分の3.3

ここで3つ、読み取っておきたいことがあります。

  • 料率は消費税込みの数字。冒頭に「当該媒介に係る消費税等相当額を含む」とあります。告示が5.5%・4.4%・3.3%と書いているのは、よく見る5%・4%・3%に消費税を乗せた後の数字です
  • 代金の額のほうは税抜。「当該売買に係る消費税等相当額を含まないものとする」。建物に消費税が乗る取引では、税抜の本体価格で計算します
  • 「依頼者の一方につき」。売主からも買主からも、それぞれ上限額まで受け取れます。1社が売主と買主の両方を担当すれば、受け取れる合計は2倍になります

そして、料率は価格帯を区切って積み上げる方式です。「3,000万円だから全部3.3%」ではありません。最初の200万円には5.5%、次の200万円には4.4%、残りに3.3%をかけて足し合わせます。

「+6万円」はどこから来るのか|算術で出す

計算の仕方は2通りあります。いま見た積み上げる計算方式と、速算式です。積み上げは正確ですが、毎回3つに分けて計算するのは面倒です。そこで使われるのが速算式です。400万円を超える物件なら「代金×3.3%+6.6万円」。この6.6万円が何者かを出します。

やり方は単純で、全体を3.3%で計算したときに足りない分を数えるだけです。

  • 最初の200万円は本来5.5%。3.3%で計算すると2.2%分足りない。200万円×2.2%=44,000円
  • 次の200万円(200万円超400万円以下)は本来4.4%。3.3%で計算すると1.1%分足りない。200万円×1.1%=22,000円
  • 400万円を超える部分は、はじめから3.3%なので不足はゼロ

44,000円+22,000円=66,000円。これが「+6.6万円」の正体です。税抜で書けば40,000円+20,000円=60,000円で、「+6万円+消費税」という言い方になります。

同じ理屈は200万円超400万円以下の価格帯にも使えます。全体を4.4%で計算すると、最初の200万円で1.1%分(22,000円)足りない。だから速算式は「代金×4.4%+2.2万円」です。税抜なら「4%+2万円」。

代金の額速算式(税込)速算式(税抜)
200万円以下代金×5.5%代金×5%
200万円超400万円以下代金×4.4%+2.2万円代金×4%+2万円
400万円超代金×3.3%+6.6万円代金×3%+6万円

200万円以下の段に足し算が付かないのは、積み上げる前の段がないからです。速算式の「+いくら」は、低い価格帯の高い料率を取り戻すための調整額だと分かれば、数字を暗記する必要はなくなります。

仲介手数料の早見表|依頼者の一方が払う上限額

速算式で出した上限額です。消費税込みで、売主または買主の一方が払う額です。両方から依頼を受けた会社は、これを2回受け取れます。

代金の額上限額(税込)
100万円5万5,000円
200万円11万円
300万円15万4,000円
400万円19万8,000円
500万円23万1,000円
800万円33万円
1,000万円39万6,000円
1,500万円56万1,000円
2,000万円72万6,000円
3,000万円105万6,000円
4,000万円138万6,000円
5,000万円171万6,000円

検索で多い「300万円の仲介手数料はいくら」の答えは15万4,000円、「200万円」なら11万円です。ただしこの2つは、次に書く特例が効く価格帯でもあります。

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800万円以下は33万円まで|低廉な空家等の特例(告示第七)

2024年7月1日から、安い物件については上限が引き上げられています。告示の第七です。

低廉な空家等の売買又は交換の媒介に関して依頼者から受けることのできる報酬の額は、第2の規定にかかわらず、当該媒介に要する費用を勘案して第2の計算方法により算出した金額を超えて報酬を受け取ることができる。この場合において、当該依頼者から受ける報酬の額は30万円の1.1倍に相当する金額を超えてはならない。

「低廉な空家等」の定義はこうです。

売買に係る代金の額(当該売買に係る消費税等相当額を含まないものとする。)又は交換に係る宅地若しくは建物の価額(当該交換に係る消費税等相当額を含まないものとし、当該交換に係る宅地又は建物の価額に差があるときは、これらの価額のうちいずれか多い価額とする。)が800万円以下の金額の宅地又は建物をいう。

30万円の1.1倍=33万円。これが上限です。名前に「空家」と付いていますが、定義に書かれている条件は代金が800万円以下であることだけで、空き家でなければならないとは書かれていません。

なぜ33万円なのか|800万円ちょうどで通常計算と一致する

ここが面白いところです。800万円の物件を通常の計算式で出すと、ちょうど33万円になります。

  • 800万円×3.3%=264,000円
  • 264,000円+66,000円(調整額)=330,000円

つまり特例の33万円は、対象の上限である800万円の物件の通常計算額に合わせて決められた数字です。800万円ちょうどでは特例を使っても金額は変わりません。

逆に言うと、特例が効くのは800万円より安い価格帯です。たとえば300万円なら通常は15万4,000円ですが、特例が適用されれば33万円まで。200万円なら11万円が33万円まで。価格が低いほど差が大きくなります。

代金の額通常の上限(税込)特例での上限(税込)
100万円5万5,000円33万円
200万円11万円33万円
300万円15万4,000円33万円
500万円23万1,000円33万円
800万円33万円33万円

安い物件ほど手数料が少なくなりすぎて、現地調査や書類作成の手間に見合わず引き受け手がいなくなる。その状態を避けるための規定です。依頼する側から見れば、安い物件の売却では手数料の負担割合が重くなるということでもあります。

この特例は令和6年6月21日の改正で現在の形になり、施行は令和6年7月1日です。改正前の対象価格や上限額がいくらだったかは、告示の現行文からは読み取れませんでした。また、特例を使うときに媒介契約の締結に際してどんな説明や合意が必要かも、告示の条文には書かれていません。

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計算してみる|300万円・500万円・3,000万円

積み上げと速算式の両方で出して、同じ数字になることを確かめます。すべて税込、依頼者の一方が払う額です。

代金300万円の場合

  • 積み上げ:200万円×5.5%=110,000円/残り100万円×4.4%=44,000円/合計154,000円
  • 速算式:300万円×4.4%=132,000円/+22,000円/合計154,000円

低廉な空家等の特例が適用される場合は、ここから33万円まで引き上げられます。差は17万6,000円です。

代金500万円の場合

  • 積み上げ:200万円×5.5%=110,000円/200万円×4.4%=88,000円/100万円×3.3%=33,000円/合計231,000円
  • 速算式:500万円×3.3%=165,000円/+66,000円/合計231,000円

代金3,000万円の場合

  • 積み上げ:110,000円+88,000円/残り2,600万円×3.3%=858,000円/合計1,056,000円
  • 速算式:3,000万円×3.3%=990,000円/+66,000円/合計1,056,000円

売主と買主がそれぞれ別の会社に依頼していれば、各社がこの額を上限に受け取ります。1社が両方を担当する場合、その1社が受け取れる上限は2倍の211万2,000円になります。告示が「依頼者の一方につき」と書いているからです。

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媒介ではなく代理のとき|上限は2倍(告示第三)

不動産会社への頼み方には「媒介」のほかに「代理」があります。代理は上限が違います。

宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買又は交換の代理に関して依頼者から受けることのできる報酬の額(当該代理に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において同じ。)は、第2の計算方法により算出した金額の2倍以内とする。ただし、宅地建物取引業者が当該売買又は交換の相手方から報酬を受ける場合においては、その報酬の額と代理の依頼者から受ける報酬の額の合計額が第2の計算方法により算出した金額の2倍を超えてはならない。

代理では媒介で計算した金額の2倍まで受け取れます。3,000万円なら105万6,000円の2倍で211万2,000円です。

ただし但し書きが効いています。相手方からも報酬を受け取る場合は、依頼者の分と相手方の分を合わせて2倍まで。片方から2倍、さらに相手方からも、という積み上げはできません。媒介の「依頼者の一方につき」とは組み立てが違う部分です。

契約書の表題が「媒介契約書」なのか「代理契約書」なのかで上限が変わります。手数料の金額を確かめるときは、まずどちらの契約なのかを見てください。

代金が税込で表示されているとき

告示の第二は、計算のもとになる代金について「当該売買に係る消費税等相当額を含まないものとする」と書いています。つまり税抜の本体価格で計算するということです。

土地には消費税がかかりません。建物には、売主が課税事業者であればかかります。個人が自宅を売る取引では建物にも消費税がかからないので、表示価格がそのまま計算のもとになります。一方、事業者から買う新築や中古で、価格が税込表示になっている場合は、建物部分の税を抜いてから計算することになります。

たとえば建物価格が税込2,200万円(本体2,000万円)、土地が1,000万円の取引なら、計算のもとは3,000万円です。3,200万円で計算すると、上限を超えた金額が出てしまいます。

よくある疑問に、消費税が二重にかかるのではないかというものがあります。そうはなりません。計算のもとになる代金は税抜、料率のほうに消費税が含まれている、という組み立てなので、代金に乗っている消費税が手数料の計算に入り込むことはありません。

土地と建物に按分する必要はあるか

告示の第二は「当該売買に係る代金の額」を一つの金額として扱い、それを200万円以下・200万円超400万円以下・400万円超に区分しなさいと書いています。土地分と建物分に分けて別々に計算する、という書き方はどこにもありません。

ですから仲介手数料の計算に按分は要りません。土地1,000万円と建物2,000万円の取引は、3,000万円の取引として一度に計算します。土地と建物を分けて計算すると、区分ごとの高い料率が二回ずつ適用されて、上限より高い金額が出てしまいます。

この按分計算が必要になるのは、消費税や取得費など税金の側の計算です。手数料の上限とは別の話として分けて考えてください。

媒介契約の種類で手数料は変わるか

専任媒介、専属専任媒介、一般媒介。契約の型はいくつかありますが、告示は媒介契約の種類で報酬額を区別していません。第二に書かれているのは代金の額と料率だけです。

専任にすると手数料が上がる、一般だから下がる、ということは告示上はありません。契約の型で変わるのは、ほかの会社に重ねて頼めるかどうかや、報告の頻度といった進め方の部分です。

物件の種類で手数料は変わるか

変わりません。告示の第二が見ているのは代金の額だけです。マンションでも戸建てでも土地でも、建売でも中古でも新築でも、同じ金額なら上限は同じになります。

「マンションの計算方法」「戸建ての計算方法」「土地の計算方法」と検索されがちですが、宅建業法と告示のうえでは区別がありません。種類によって変わるのは、物件調査にかかる手間や、建物に消費税が乗るかどうかといった周辺の事情のほうです。

手数料の名目で金額が違う説明を受けたときは、代金の額が同じかどうかを先に確かめてください。代金が同じなら、上限も同じです。

賃貸の仲介手数料は別の規定(告示第四)

「仲介手数料1ヶ月分は違法か」という質問が多いので、賃貸についても触れておきます。売買とは別の条文です。

宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額の合計額は、当該宅地又は建物の借賃の1月分の1.1倍に相当する金額以内とする。

そのうえで、住むための建物にはさらに制限があります。

居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は、当該媒介の依頼を受けるに当たって当該依頼者の承諾を得ている場合を除き、借賃の1月分の0.55倍に相当する金額以内とする。

読み方はこうです。

  • 貸主と借主の合計で、借賃1か月分の1.1倍(=税込1か月分)まで
  • 住む物件では、一方からは0.55倍(=税込0.5か月分)までが原則
  • ただし依頼を受けるに当たって承諾を得ていれば、一方から1.1倍まで受け取れる

つまり借主から1か月分を請求すること自体は違法ではありません。鍵になるのは「依頼を受けるに当たって」承諾を得ていたかです。契約の直前や後から同意を求めるのではなく、依頼の時点で説明があったかどうかが条文の書きぶりです。

この規定は住む物件に限りません。アパートでも事業用の店舗でも駐車場でも、貸借の媒介であれば第四が適用されます。ただし0.55倍の制限がかかるのは居住の用に供する建物なので、事業用の物件では双方合計1.1倍の枠内で配分が決まります。家賃がいくらかによって上限も動きます。

なお、この記事は売買を中心に書いています。賃貸の初期費用の内訳までは扱っていません。

上限を超えて請求されたとき

宅地建物取引業法第46条第2項は「前項の額をこえて報酬を受けてはならない」と書いています。告示の額を超える請求は、この条文に反します。

確かめる順番はこうなります。

  • 事務所の掲示を見る。第46条第4項で、報酬額の掲示は義務です
  • 自分で計算する。この記事の速算式で上限が出ます。代金が税込表示なら、建物部分の消費税を抜いてから計算します
  • 媒介契約書と請求書を突き合わせる。手数料以外の名目で何が請求されているかを分けて見ます
  • 免許を出している行政庁に相談する。宅地建物取引業者には免許番号があり、都道府県知事か国土交通大臣が免許を出しています。監督するのもそこです

では、手数料以外の名目なら何でも請求できるのか。告示はそこも閉じています。第十一です。

宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関し、第2から第10までの規定によるほか、報酬を受けることができない。ただし、依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額については、この限りでない。

上限額のほかに受け取れるのは、依頼者の依頼によって行った広告の料金だけ、と読めます。請求書に見慣れない項目が並んでいたら、それが「依頼者の依頼による広告」にあたるのかを聞いてください。頼んだ覚えのない広告の費用であれば、この但し書きには乗りません。

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値引き交渉はできるのか|告示が決めているのは上限だけ

告示は「以内とする」「超えてはならない」と書いています。下限は定められていません。だから値引きの交渉そのものは制度上できます。

ただし、交渉の前に押さえておきたいことが2つあります。

  • 手数料は成功報酬として設計されている。告示は「媒介に関して受けることのできる報酬」と書いていて、売買が成立して初めて受け取れる建て付けです。売れなければ会社の持ち出しになる広告や内見対応の費用も、成立した取引の手数料から回収されています
  • 依頼者の一方につき上限が決まるので、1社が売主と買主の両方を担当できれば、その会社の受け取りは2倍になります。手数料を下げても成り立つかどうかは、この構造にも左右されます

手数料を払わずに済む形も、理屈のうえではあります。個人どうしで直接売買すれば媒介がないので手数料は発生しません。買取業者に直接売る場合も、その業者が買主であって媒介ではないなら手数料はかかりません。どちらも、契約書の作成や物件の調査を誰がやるのかという問題が残ります。

売り方による違いを並べるとこうなります。

→ 横スクロールで3つの売り方を比較できます

仲介で売る買取業者に売る個人間で売る
仲介手数料上限まで発生発生しない発生しない
価格の決まり方買主との交渉業者の提示額当事者の合意
買主を探す期間必要不要必要
契約書と物件調査不動産会社が担当業者側が用意自分たちで用意
告示の上限が効くか効く媒介ではないので対象外媒介ではないので対象外
向いている場面相場で売りたい期日が決まっている相手がすでに決まっている
PRリショップナビ現況のまま引き渡す自分で手配する

どの売り方でも、仲介手数料だけで決めると全体で損をすることがあります。たとえば手数料が20万円安くても、売却価格が50万円下がれば差し引きではマイナスです。比べるべきは手数料の額ではなく、手取りの額です。

いつ払うのか

告示にも第46条にも、支払う時期の定めはありません。媒介契約で決まります。実務では売買契約のときと引き渡しのときに半分ずつ、という形がよく使われますが、これは法令で決まっているものではないので、媒介契約書の記載を確認するのが唯一の答えになります。

契約が成立しなかった場合についても同じです。告示は「媒介に関して受けることのできる報酬」と書いていますが、どの時点で成立とみなすかまでは書いていません。契約前に解約したときの扱いは媒介契約の条項次第です。

この記事で確認できなかったこと

  • 低廉な空家等の特例を使うときの手続き。媒介契約の締結に際してどんな説明や合意が必要かは、告示の条文には書かれていませんでした
  • 改正前の特例の内容。対象価格や上限額がいくらだったかは、現行の告示文からは読み取れません
  • 特例が売主・買主のどちらから受け取れるか。第七は「依頼者から」とだけ書いていて、一方に限る文言は見つけられませんでした
  • 支払い時期と解約時の扱い。法令ではなく媒介契約で決まる部分なので、一般化できません

売却でかかるお金は仲介手数料だけではありません。利益が出れば譲渡所得への課税があり、契約書には印紙税もかかります。手数料の上限だけを見て手元に残る額を計算すると、あとで足りなくなります。

共有名義の不動産を売るときは、手数料より先に持分の扱いが問題になります。共有持分の売却は、全員の同意が要る場合と自分の持分だけを売る場合で手順が分かれます。

よくある質問

不動産300万円の仲介手数料はいくらですか

通常の計算では15万4,000円(税込)です。200万円×5.5%=11万円に、残り100万円×4.4%=4万4,000円を足した額です。ただし低廉な空家等の特例が適用される取引では33万円まで引き上げられます。

なぜ6万円を足すのですか

全体を3.3%で計算すると、200万円以下の部分で2.2%分(4万4,000円)、200万円超400万円以下の部分で1.1%分(2万2,000円)足りなくなるからです。合計6万6,000円が調整額になります。税抜で言えば6万円です。

仲介手数料10%は違法ですか

売買の媒介で、告示の計算で出る上限を超えていれば、宅地建物取引業法第46条第2項に反します。10%という数字そのものが違法なのではなく、その取引の上限額を超えているかどうかで決まります。代金が小さく、低廉な空家等の特例が適用される場合は、結果として10%を超えることもあります。

賃貸で仲介手数料1ヶ月分は違法ですか

違法とは限りません。双方合計で借賃1か月分の1.1倍までが上限で、住むための建物では一方から0.55倍までが原則ですが、依頼を受けるに当たって承諾を得ていれば一方から1.1倍まで受け取れます。

仲介手数料は売主と買主のどちらが払うのですか

告示は「依頼者の一方につき」と書いています。依頼した側が払うという組み立てで、売主と買主がそれぞれ依頼していれば両方が払います。1社が双方から依頼を受ければ、その1社が双方から上限額まで受け取れます。

上限の額を確かめる一番早い方法は

不動産会社の事務所に行くことです。第46条第4項で報酬額の掲示は義務になっているので、告示の表がそのまま貼ってあります。

まとめ

  • 上限を決めているのは法律の条文ではなく告示(昭和45年建設省告示第1552号、令和6年6月21日改正)
  • 売買の媒介は200万円以下5.5%/200万円超400万円以下4.4%/400万円超3.3%を積み上げる。いずれも消費税込みの料率
  • 速算式の「+6.6万円」は、低い価格帯の高い料率を取り戻すための調整額。4万4,000円+2万2,000円で出る
  • 800万円以下は33万円まで(低廉な空家等の特例、令和6年7月1日施行)。33万円は800万円ちょうどの通常計算と一致する
  • 上限は依頼者の一方につき。1社が双方を担当すれば受け取りは2倍になる
  • 賃貸は別の規定で、双方合計1.1倍/居住用は承諾がなければ一方0.55倍
  • 上限額のほかに受け取れるのは依頼者の依頼によって行った広告の料金だけ
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仲介手数料のほかにも、売却の前後で手間とお金がかかる場面があります。順番に並べると3つです。

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